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吸血鬼になったエミヤ
008話 ドッジボール騒動
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い生前で幸か不幸かどうかは分からないが、かなりの経験を積んでいるし呪術で身体強化も施せば十分やっていける。
そして赤き翼で途中退場したもののシホとともに世界相手に相手をしてきたのだ。
強くならざるを得ないのは必然だった。
それで接近主体のガトウなどに体術を仕込まれたものだ。
最後に現在吸血鬼化して魔力が大幅に水増ししたシホから送られてくる魔力はかなりのものであり、聖杯のバックアップがない以上現界分も消費されるが、それを差し引いて見ても、三騎士には遅れをとるもののライダーやアサシンのクラスには引けを取らない実力をものにしたのだった。


話は戻りボールを受け取ったタマモは身体強化を施しているわけでもないにせよリーダー格をしとめることに成功した。
そこからはもうその場限定でアスナとタマモのタッグを中心にネギも皆を勇気付けて前向きにさせ、全員が反撃を開始し時間は終了し圧倒的な点数で2−Aの勝利となった。
勝利ということでネギ先生が胴上げされている中、ロスタイムとかほざいてボールを当てようとしているリーダーの子にさすがにシホは怒り、

「龍宮、ボール」
「わかった」

即座に龍宮からボールを受け取ったシホは上半身の力だけで吸血鬼の力もこめてボールを放ち、リーダーの子が放ったボールを一緒にふっ飛ばし金網にめり込ませた。

「なっ…!」

唖然としている先輩のところにシホは車椅子を押して向かい、

「先輩方、あなた達は一度言った約束もろくに守れないほど頭は悪くはないでしょ? それでしたらこんな悪あがきで卑怯なことをせずに、素直に負けを認めて引き下がるのが目上の者としての示しではないですか? そうでしょう?」
『は、はひ…』

冷笑と綺麗な笑顔の二重の笑みで高等部の連中は全員青い顔をしてその場から立ち去った。
そこにエヴァが後ろから声をかけてきて、

「ふっ、なかなか威厳が出ていたではないか。それを常時保てればこれからやっていけるだろうよ?」
「ふぅ…そうかな? ま、これでもううるさい事はないでしょうね。こちらとしても静かなほうが落ち着くし」
「まったくだな」

こうして高等部とのドッヂボール騒動はシホの行動にも気づかないで騒いでいるネギ達をシホ達は傍目にしながら幕を下ろしたのであった。



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