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吸血鬼になったエミヤ
007話 大浴場での出来事
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ていた。

「どうやったらここまで見事に壊すことができるの…?」
「さぁ…? それで、直りそうかい、姉さん?」
「どうだろう? 螺子もすべてひん曲がっているし螺子穴もボロボロ、蝶番も同じくあまりの破損で完全にお釈迦、扉自体もどうやったらここまでへこませたのか不思議に思うわ。
見た感じ足跡がくっきりと残っているから相当の蹴りを当てたみたいだけど、魔力の残滓は残っていないし純粋な蹴りでこれを吹っ飛ばしたわけで…」
「つまり…?」
「うん。結論から言うと業者さんに頼むしかないわね。私が修繕してもいいなら魔術行使してもいいけど…」
「いや、姉さんの手を煩わせることはしないよ。しかたがない…新田先生には業者に頼んでおくと伝えておくよ」
「お願いね」

私はタカミチと別れるとそのまま教室まで向かっていた。
その道中、アスナがこっそりと図書室の方を見ていたけどなにかあったのかな?

「アスナ、なにをしているの…?」
「あっ、シホ…えっと、高畑先生と何話していたの?」
「ん? 何者かに壊された扉に関してだけど。私が直せるかもと行ってみたけど、調べた結果、螺子や蝶番といった諸々のパーツがすべてお釈迦になっていて扉自体も歪んでいたから私じゃ無理だと判断して業者に頼むしかないって話にまとまったの…って、なんでそんなに暗い顔しているの?」
「な、なんでもないよー? うん…」
「…? そう、ならいいけど…」

シホの背後でアスナは手を合わせて「ごめんなさい!」のポーズを取っていたのにはシホは気づかなかった。




◆◇―――――――――◇◆




数日してやっとネギ先生が授業で落ち着いてやっていける程度になった頃、私とタマモはまたリハビリを続けていた。
それも今日は学生寮にある本格的なリハビリ施設で、だ。
今はリハビリ施設内の長い廊下(50mコース)を壁際にある支えで十週は歩く作業に励んでいる。
一見地味だが足が不自由なものにとってこの行為は結構地味に響いてくる。
吸血鬼の体だというのに関係なく。

「しかし、こうもリハビリが大変なものだとは、思っていなかったわね…っと!」
「頑張ってください、シホ様。今日のノルマ達成まであと二週です!」
「あと、二週…気を引き締めないとね」

と、そこに「ふふ…励んでいるな」という声がかかってきた。
声色からしてエヴァあたりか…?

「エヴァ?…どうしたの、わざわざ学生寮まで来て」
「なに、ちょっと我が家の風呂の調子が悪くてな。現在茶々丸とハカセの二人で急ピッチの作業で直しているところなんだ。だからわざわざこっちまで来てやったというところだ」
「葉加瀬さんに悪くない…?」
「それは大丈夫だ。すぐに終わるといっていたし、それに終わったら入っていっていいとも
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