006話 子供先生の赴任初日
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の生徒。龍宮真名が小声で話しかけてきた。
(やぁアヤメ。最近のエミヤの調子はどうだい?)
(あ、真名ですか。はい、最近はやっと支えありでですが歩けるくらいには回復してきました。
やっぱり吸血鬼の治癒力は凄まじいですね。数十年歩かされていなかったのに…寧ろ語るのもおぞましい事をされていたのに、もうそのくらい治ってきているのですから)
(そうか…。しかし末恐ろしいな。魔法世界ではそれこそ“サウザンドマスターのナギ・スプリングフィールド”や“千の刃のジャック・ラカン”とともに有名な“魔弾の射手”“剣製の魔法使い”と称された大物が大戦中に行方不明になったと話では聞いていたが、まさか吸血鬼の実験体に使われていたとは…)
(色々あった、としか今は言えません…。その事を話題に出すとすぐにシホ様はあの時の記憶を鮮明に思い出してしまい苦しんでしまいますから)
(難儀だな…)
(はいです…)
なぜ龍宮真名がこうして過去の話をタマモとしているかというと、実はシホが現れた現場に唯一実力者として呼ばれていたからだ。
だからシホの無残な姿も、タマモの悲痛な告白も当然見聞きしていた。
それで龍宮は編入してから少しして二人に接触した一人である。
実は同じ長距離専用の得物を使うシホの大戦中の話で少なからず龍宮は畏敬の念を抱いている一人なのだった。
弓は銃と違い性能が劣るというのにそれも関係なしに自身の腕と鋭い眼力で超長距離からの正確無比な射手を放つ話はとても有名だ。
―――閑話休題
(なにか力になれる事があったらいってくれ。当然報酬有りだがね)
(はいはい!…まったく、この根っからの守銭奴が!)
(ふっ…褒め言葉として受け取っておこう)
そうして龍宮は席に戻っていった。
タマモももう気持ちを切り替えてシホの元へと向かっていった。
これでシホは素直な者達には懐かれるほどの人気だが影(といっても遠くから見守るという意味で)ではさらに人気に拍車がかかっている。
まず朱銀に輝いている髪はサラサラで乱れがなく、元々の髪質もそうだが毎日タマモが丁寧に洗ってあげている事もあり枝毛の一本もなく女子には羨ましがられている。
それにシホの性格もとても素直・謙虚で自慢話や高飛車な態度も取らなくてあまり表裏もないから気軽に話しかけられる。
さらに車椅子を使っている為か儚いイメージが定着していてとてもクラスの皆に大切にされている。
…―――本人の自覚は皆無だが。
それに頭もいいのでよく勉強の駄目だしや分からない所を丁寧に教えている姿からとても好印象。
なにより普段はぶっきらぼうであまり笑わない方だから一度笑顔を見せればほとんどの者は顔を赤くし積極的な者(主に名をあげると当然タマモを筆頭に朝倉、鳴滝姉妹、早
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