005話 2−Aへの編入
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とに関してとかの事情は聞かないであげてほしーんだ。私個人としては」
『!!?』
朝倉の発言で一気にざわめきが起こった。
遠慮と言う言葉は無きに等しい麻帆良パパラッチの異名を誇る“あの”朝倉和美がこうした控えめな態度をとること自体まずありえないという感想がほとんどをしめていたからだ。
それで「熱!?」とか「どこかで頭を打った!?」とか結構地味にひどい事を言われているがそれを意に返さず、
「私もねー…つい数日前に学園を茶々丸さんに案内されている二人に直撃取材をしかけたわけねー」
その発言に『やっぱり…』と言われるがとりあえず無視して、
「アヤメって子はエミヤさんの付き人みたいな立場の人だったわけよ。
肝心のエミヤさんが理由はわからないけど足が悪いみたいで車椅子で移動していたし…」
『ほほー!?』
「それでねぇ…いくつか質問した後、前はどこでなにをしていたの?っていう質問をしたらね…」
『したら!?』
全員が騒ぐ中、朝倉は少し言葉を切って、覚悟を決めた顔つきになり、
「…突然、前触れもなく頭を両手で抑えてすごく苦しみだしたんだよ…」
『えっ?』
それで興味津々だった一同は沈黙する。
「その時私はどうしていいか分からず手をこまねいていたんだけど、エミヤさんはとっても苦しそうな顔をしていながらも『気にしないで』って私のことを気遣ってくれたの。
当然その後すぐに三人とは別れたんだけど、別れ際にアヤメさんにまるで親の仇を見るような目で睨まれちゃったんだよねぇ。
だから私、まず原因はまぁ多分質問内容だと思うんだけどちゃんと謝りたいんだよね」
『………』
「だからあまり過去のことに関しては深入りしない方がいいと思う。きっとエミヤさんはここに来る前になにか…そう、なにかとても大きなトラウマになるような事があったんだと、私は思うから。
だからみんなにもそこのところわかってほしいんだ」
朝倉の弱気な、でも殊勝な心がけの姿を見てそれぞれ思想は違えど良いことだと思った。
「すばらしい考えですわ朝倉さん! この雪広あやか、その朝倉さんの立派な心がけにとても感動いたしました。
それでは是非明日はそのシホさんとアヤメさんという我がクラスの新しいお仲間が気持ちよくわたくし達のクラスに溶け込めていけるようにまずは誠心誠意パーティー作りの努力をいたしましょう!」
『サンセーイ!!』
先ほどまでの暗い雰囲気から一転して全員はほぼ賛成の意見をだした。
それに救われたかのように朝倉は心の中で感謝した。
◆◇―――――――――◇◆
そして三学期当日、始業式が終わり生徒が各クラスに入っていく中、控え室では私とタマモは少しばかり緊張していた。
もう精神安定剤の薬は貰っていると
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