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吸血鬼になったエミヤ
003話 シホの過去
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事態…?」
「精神操作系の魔法の類じゃ。その件に関してはシホ殿の使い魔であるタマモ殿が昨日話したようにシホ殿に憑依して内側から完璧に防いでいたそうじゃ。
でなければ数年もかからずにシホ殿の心は負荷に耐え切れずに砕け散って操り人形と化して、本能のままに動くだけの怪物になっていたことじゃろう…」
『……………』

学園長が出来ればもう二度と口にもしたくない内容を言い切って会議室に沈黙が下りる。
そこに瀬流彦が言葉を発した。

「もう、彼女をもとの人間に戻すことは不可能なのですか…?」

それは偏に願い、願望といったものだろう。
だが学園長は現実を見ろと言わんばかりに、

「…分かりきった質問をするでない、瀬流彦君。更にやるせなくなってくるからの…」
「申し訳、ございません」

瀬流彦は苦虫を噛み潰したような顔で席に腰を降ろした。

「…そして、謎の転移魔法であるが、あれはシホ殿でもタマモ殿でもない第三者の人物の行いじゃった。
記憶を見たがわしとエヴァンジェリンでも理解し得ない魔法理論を使い、シホ殿を捕らえていた組織のメンバーをすべて消し炭にしてしまった。
最後に見た光景は急いでいたのだろう? 組織の返り血も拭わずシホ殿に手をかざして無言で未知の転移魔法を決行したそうじゃ。
そしてシホ殿のあのあらゆる武器の刺さりも解除できずに送り出したのだろうとわし達は判断することにした。
…最後じゃが、もうここまで言えば皆は分かりきっていると思うが、シホ殿及びアヤメ殿はこの麻帆良で保護しようという事で話がまとまった。
それと彼女自身、この話題を出すとすぐにフラッシュバックを起こして苦しみだしてしまうほど今は情緒不安定じゃからあまり触れないようにしてくれるとありがたいことじゃ。
そして、もしまだ組織の生き残りがいたらとすればシホ殿をまた狙ってくるやもしれん。じゃから本国にも話は通さないでおく。これは緘口令じゃ。
して、意見あるものはおるか…?」

学園長の問いに、しかし誰も反論は言わず意見に賛同した。
こうして学園都市はシホ・E・シュバインオーグと玉藻アヤメを保護する事が決定した瞬間だった。


………しかしさらに最後にだが、シホを全面的に保護する人物が同じ吸血鬼の真祖であるエヴァになったという会話でいくらか反論が出たが学園長と高畑に説き伏せられたのは言うまでもない。



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