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吸血鬼になったエミヤ
003話 シホの過去
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はまかりなりにも吸血鬼なのですよ? エヴァンジェリン・A・K・マクダゥエルのように力を封印されているわけでもなし…危険ではないですか?」

そこに褐色の男性で眼鏡をかけているガンドルフィーニが会話に割り込んできた。
頭が人一番お堅い人物であり、まだシホ達の麻帆良入りを快く思っていない人物の一人である。
だが間髪いれずに高畑がそこにさらに介入してきた。

「シホね…いえ、エミヤをまだ疑っているのですか、ガンドルフィーニ先生…?
彼女は今でこそ魔法世界でも行方不明または死亡扱いとして処理されていましたが、その実約二十年の間人徳を無視したありとあらゆる行いを一心に受け続けたいわば“被害者”なのですよ?
そんな彼女が危険人物?…ありえませんね。それにエミヤは魔法世界で行方不明になる前まで僕達『赤き翼』のメンバーの一人として活躍し、名誉のため名前は伏せますがとある二名のストッパーも兼ねていた言うなれば欠かせない人物だったんです。
…ここにいる何名かは彼女の武勇伝を知っているはずです。
魔法世界ではなおの事有名ですね…ですからそういった拒絶の意味も兼ねた発言は控えていただけると僕は嬉しいですね」

両肘を机の上に置き両手を組み、目を怪しく光らせてマシンガントークをした高畑の気迫にさすがの一同もおもわず言葉を失う。
今逆らえば痛い目にあうのはあきらかだったからだ。
それで青い顔をしながらガンドルフィーニは「すみません…」といって席についた。
場の雰囲気がある意味重い雰囲気で支配されていたので学園長が引き継ぐように話を続ける。
…そこから記憶を見た結果で話された非情なシホへの行いの数々にその場の全員は息を呑んだ。
女性の関係者である葛葉刀子やシャークティは声を出さないが目じりに涙を溜めるほどだった。

「…以上でシホ殿が受けた扱いは以上じゃ。何か質問はあるかの?」
「はい」
「シスター・シャークティ君か。いいぞい」
「はい。ではミス・エミヤはその数々の実験…「シャークティ君…」……失礼、非情な行いの結果、吸血鬼としてのあらゆる弱点は克服しているのですか…?」
「そうじゃのう…。うむ、確かにその通りじゃ。
日の光、火葬、首の切り落とし、流水または聖水、十字架、銀の銃弾や呪印の施された魔弾、白木の杭、ニンニク…さらには複数の強烈な薬物、その他も含めて二十年で仕立て上げられたそうじゃ。
よって耐性はほぼ完璧といってもよい。復元呪詛もエヴァンジェリンと同等の性能を誇っているようじゃ。
しかし…その過程で何十、何百、何千と殺されては復元呪詛で無理やり生き返させられるといった永遠に等しい苦しみをシホ殿は受けておった。
シホ殿の強靭な、例えるなら鋼のような堅固な意志がなければ今頃は…。
じゃが、最悪の事態だけは防がれた」
「最悪の
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