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吸血鬼になったエミヤ
002話 吸血鬼となりて
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けに力を注いだ為、奴らの暴挙を目前にしながらもッ! ご主人様の幾度の普通なら死んでも不思議じゃない苦痛、激痛に耐える喘ぎ声を聞きながらもッ!! 手を出すことが、出来なかった…っ!!!」

タマモはシホを抱きしめながらひたすら涙を流していた。
エヴァはそれを聞きひどくショックを受けた。
もう存在しないものだと思っていた禁忌の呪いを受けたものがまた一人出てしまったことに。
他のものも同じ気持ちで特に高畑は無言で涙を流していた。




◆◇―――――――――◇◆




…それからはもう世界樹の発光もおさまり、夜にいつもの静けさが戻りそれを区切りに警戒態勢は解かれ主要人物以外を残して一時解散となった。
残ったものは学園長、タカミチ、エヴァに従者の絡繰茶々丸…そして事情説明ができるタマモだけ。
夜中とはいえ人目につくのはまずいと判断した一行は一番安全であろう学園長室へと移動した。
肝心のシホは傷が回復しても体に蓄積された疲労が激しく荒い息を繰り返していた。
熱も半端ではなくひとえに吸血鬼という高いポテンシャルの体がなければすぐに死んでいるだろうと、同族のエヴァが判断してすぐに病室に運ばれていった。

「…さて。ではタマモ殿、と呼ばれるのは一連の行動で好まんじゃろうと推測したので今から主の事をなんとお呼びすればいいかの?」
「アヤメ、とでも…玉藻アヤメ。これで通してください」
「あいわかった。ではアヤメ君。一つずつ尋ねるが君とエミヤ君はどうやってこの麻帆良の地まで転移してきたのかの…?」
「…わかりません。私は先ほども言ったように奴らが精神に影響を及ぼす魔法をしてこないように、ずっとご主人様の中で結界を張り続けていたため外の出来事にはあまり詳しくありません」
「そうか…。では誰がここまで転移をさせたのかは謎のままという訳になるの」
「はい…それよりこちらから一つ。今は…何年ですか?」
『は…?』

タマモの質問に全員が首をかしげる。
だがタマモはお構いなしに、

「いえ…なんと言いますか、ずっと穴倉にいたみたいで外の様子が全然分からなかったもので…。たまにご主人様が外に出されても日光克服での過程の実験で出されるくらいのものだったもので…」
「なん、だと…!?」

そこでエヴァが「ダンッ!」と机を思い切り叩く。
その顔には明らかに怒りの表情が浮かぶ。

「吸血気化の呪いだけならまだしもそんな恐ろしい実験までしていたのか、そいつらは!!?」
「…ええ。他にも流水、白木の杭、ニンニク…およそ吸血鬼の弱点というものは実験の過程で無理やり克服させられました…エグッ…」

また涙を流しだすタマモをよそに一同は憤慨していた。

「おのれ…! 我ら誇り高い吸血鬼をそこまで陵辱するとは…ただではすま
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