002話 吸血鬼となりて
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「ま、まさか大戦中に行方不明になってしまったと聞く…!」
「そうです。“シホ・E・シュバインオーグ”…僕達の最も信頼していた仲間です。それが…どうしてこんなことに…っ!」
高畑が嘆いている中、突如としてシホの体が光りだし、
“―――ご主人様から離れなさい!!”
謎の女性の声とともに高畑は吹き飛ばされた。
「ぐっ…!?」
『高畑先生!!』
「今度は何事だッ!?」
エヴァが叫んでシホの方を見ると、そこには桃色の髪に露出の多い青い着物、極めつけは狐耳に一本の金色の尻尾を生やしている絶世の美女ともいえる人物が呪符を数枚構えながらシホを守護するように全員を見据えていた。
「貴様………何者だ?」
「答える義理はないです! もうこれ以上貴様らなんかにご主人様の体を弄られてたまるものですか!!?」
謎の女性が攻撃態勢に入り一枚の煌びやかな鏡を空中に展開してエヴァに仕掛けようとした、その時だった。
「待つんだ! タマモ君!!」
「ッ!? お、っととと!…ちょっと、そこのおじさん。どこで知ったか知らないですけど、いきなり人の名前を呼び捨てにするなんてマナーがなっていないですよ!?
それに私を真名で呼んでいいのはご主人様だけだーーーっ!!」
タマモと呼ばれた女性は声高らかに叫んだ。
だが高畑はそれにめげずに、
「僕だよ。タカミチだ!」
「えっ!? うっそだぁー! タカミチ君はまだ十歳くらいのかわいい男の子だったじゃないでしょうが…それに比べてあんたはひげ面じゃないですか」
「ぐっ…やっぱり気にしているところをついてくるね。相変わらずの毒舌家だ。だが本当のことだ。
だからエミヤの治療をさせてくれ…僕達は君達の敵じゃない。信じてくれ」
「ん〜〜〜〜…? 確かにほんとのようですね? ですが心配後無用! 私の手にかかれば“吸血鬼化”した今のご主人様の治療はお茶の子さいさいですよ♪」
―――呪法・吸精
タマモがそう呪を唱えた瞬間、シホの体内に残留している魔力がタマモに流れていき次々と刺さっている剣達が溶けるように姿を消していく。
武器がすべて消えた次に回復の呪を唱えたらしくシホの傷は見る見る塞がっていった。
それを見て安堵した息が周囲に漏れるが、
「…おい、女狐。先ほど吸血鬼化したといったが…どういうことだ?」
エヴァの発言により周囲にまた緊張が走るが、それで先ほどまで笑みを浮かべていたタマモの表情がくしゃりと歪み泣き顔になる。
「…そのままの意味ですよ。ご主人様は大戦中に誘拐され私ともども無力化された後、吸血鬼化の呪いをかけられ様々な実験材料にされてしまいました。
私はご主人様の心が壊れないように憑依して体内に入り込み、魂と大切な記憶を守る事だ
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