ばんさん
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「どうされました?」
リリをしゃがませる。
「あれ、見て」
草の隙間から見える、小龍。
「インファントドラゴンですか…」
「行ける?」
「ベル様は?」
「ドラゴン退治って憧れない?」
お伽噺の英雄の前に立ちはだかるドラゴン。
仲間と力を合わせて立ち向かう英雄達。
「はぁ…ベル様って子供ですよね…」
「いいじゃないか」
「リリは構いませんよ。インファントドラゴンは、別のパーティーに居たときに何度か戦いましたから」
「じゃぁ安心だね」
バルグレンの片方を鞘に戻す。
右手にアリファール、左手にバルグレンの片割れを持つ。
「参る!」
草を掻き分けて駆ける。
インファントドラゴンへ一直線に。
今の僕には小竜がせいぜいお似合いだ。
グオオオォォォォォォオオオ?
インファントドラゴンが僕に気付いて、咆哮をあげる。
すくみそうな体に活を入れる。
こんなんにビビってちゃ、アイズさんには追い付けない。
ベートさんの背中は守れない。
リヴェリアさんの前衛は務まらない。
僕はロキファミリアの一員なのだから!
インファントドラゴンが姿勢を低くし、尾を降った。
飛び上がって回避。
その勢いのまま、インファントドラゴンの背をアリファールで斬りつける。
即座にバックステップで離脱。
グギャァァァァァァァァァアアア!?
背中に傷をおったインファントドラゴンが雄叫びをあげる。
キッと僕を睨み付ける。
ドラゴンの口が大きく開く。
チッと喉奥に火種が見えた。
リリの前でバルグレンは使えない。
回避一択だ。
横に飛び退くと、箒ではわくように炎が追ってくる。
次第に火の手は弱まり最後には黒煙を上げて止まった。
「いくぞ!」
姿勢を低くし、インファントドラゴンに突撃する。
「でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ドラゴンが最後の抵抗と、背を向け尾を振るった。
その尾を、アリファールで斬り飛ばす。
ドラゴンめがけて一直線に跳ぶ。
バルグレンを構え…………。
ドラゴンの後頭部から一閃。
着地すると、後ろで重いものが落ちる音がした。
振り返ると、赤いドラゴンの体が白い灰になっていた。
「よっしゃぁ!」
灰の中に手を入れ、魔石を取り出す。
僕の拳よりも大きな魔石だ。
「これがドラゴンの魔石…」
紫色の、キラキラ光る鉱物。
「すごかったですベル様!」
リリが駆け寄ってきてくる。
「わ! おっきな魔石ですね。それだけで10000ヴァリスはいきますよ!」
「へぇー…
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