MR編
百五十八話 死者を守る者
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言うかそもそも多分アスナはそんな事考えていないのでこの思考自体大変くだらない自分の見栄である事は明白で、ついでに言えば最近アスナがユウキユウキでちょっとあれだなとか、そんな乙女みたいなこともまっったく想っていないので、ホント、別にいいのだ。よし、
「(全部弾こう)」
緑色のエフェクトに対抗するように、キリトの剣に水色のライトエフェクトが灯る。ユウキの反応速度、つまり剣速は、率直に言って自分よりも上だ。だがソードスキルなら……
一撃目、下段突き。初劇の水平切りで左に弾く、引き戻して二撃目、上段突き右上に向けて跳ね上がった剣で弾き上げる。ラスト、もう一度下段突き、跳ね上がった剣を振り下ろしての上段斬りで、叩き落す!
「っしゃあ!」
「……!」
両手槍 三連撃技 《トライアングル》
片手直剣 三連撃技 《サベージ・フルクラム》
攻めの三連撃技に、綺麗に返しの三連撃が決まり、ちょっと内心ガッツポーズ、あと、少し声出た。いや、あくまで掛け声だが。
硬直を利用して軽く後ろを見ると、真後ろでユウキが目を輝かせている。我ながら大変無意味な意地を張った気がして少し自己嫌悪と同時に、その向こうのアスナが「流石!」と言いたそうな顔をしていたので少し自尊心が満たされた気がした。総計でプラス1と言った所か、何がだ、何かがだ。
「ユウキ!スイッチ!!」
「うんっ!!」
飛び込む菫色の少女の背中を見ながら、キリトは自分達の後方で行われる戦闘に視点を移す。
「うし……《来いやぁぁ!!》」
部屋中に反響するような大きさのリョウの怒鳴り声が、若干機械的なエコーを伴って周囲に反響する。すると、新たに部屋内に沸出した部屋中に居るMob達の目が、一斉に彼の方を向いた。SAO時代からある、周囲のモンスターの憎悪値を自分の側に集中させるタンク系のスキルである《咆哮》だ。当然、ボスのヘイトもそちら側に向くが、即座にユウキがソードスキルを撃ち込んでけん制する。
リョウはと言えば、当然、一斉に彼の方に集まっていくMobに寄って姿が見えなくなるが、それで彼の心配をするなど意味の無い事だとキリトもよく分かっている。実際、すぐに囲みの中心地に居たMobの一体が天高く吹き飛ばされ、地面に付くより前に爆散した。あれではどっちがボスだかさっぱりである。とはいえ、流石にあの数では撃ち漏らしも出るだろう、だが、それを気に留める必要が、今の彼にはほとんどない。理由は三つ。
まず、そもそも彼の元までたどり着けるMobがそう多くない。ソードスキルを使うにしろ使わないにしろ、彼の攻撃はそのどれもが高威力、かつ広範囲攻撃だ。なまじ武器が冷裂(本気モード)ではないため掠りでもすれば、とはいかないまでも、まともに喰らえばこのダンジョンに出現する高ラ
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