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SAO─戦士達の物語
MR編
百五十八話 死者を守る者
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スモンスターであろうネームドMob、『アヌビス・ザ・キングス・グレイブキーパー』は、一般的な尺度にあてはめればかなりの強敵モンスターとして映るモンスターだろう、基本的に自らが使役する大量のアンデット系モンスターの奥にボス本人であるアヌビスは常に陣取り、仮にそのMobの波を切り開いてボスに肉薄できても、本人は決して雑魚ではない。細身の槍を見事に操り、此方の攻撃を見事にさばきながら高速で躱しにくい三叉槍による突き技は厄介そのもので、二人以上でスイッチを繰り返しながらブレイクを作って攻め込んでいかなければ、押し切ることは事は難しい。だがかといってそちらに気を取られれば、周りに群がってくる取り巻き達に袋叩きに会うのは自明だ。大量のMobを相手にしながら、ボスに如何に切り込んでいくか、その調整の難しさに殆どのプレイヤーは喘ぐ羽目になったはずだろう。
が……

「相手が悪かった、なっ!!」
姿勢を低く、地面に沿うような姿勢でアヌビスの懐へと飛び込む。寸前のユウキによるブレイクのお蔭で跳ね上下られたトライデントは、接近してくるキリトを迎撃できない。一気に距離を詰めれば既にそこは片手剣の間合いだ、ソードスキル……!

「セェラァァッ!!」

片手直剣 七連撃技 [デットリーシンズ]

一息に放たれた七本の軌跡が、ボスのHPを一気にボスの複数あるHPバーの一本を5%近く減らす。確実に相手の芯を捉えた手ごたえと共に、ボスの長身がのけ反る……が、その奥、即座にこちらを睨みつけた鋭い漆黒の瞳と目があった瞬間、少し長めの拘束時間から解かれた身体をキリトは一気に引き戻した。同時、眼前に既に差し迫った高速の突きを、ギリギリで剣の腹を使って逸らし、串刺しになる未来を避ける。。

「(あっぶね……ッ!)」
相手が引き戻しにかかった槍を、別れた先端で剣を持っていかれるのを防ぐために軽く弾き剣を外す。吸い込まれるように引き戻され、腰の当たりに固定されたトライデントに更に緑色のライトエフェクトが灯る。また高速のソードスキルが来る。元々トライデントと言う武器の特性の所為もあって左右の移動では回避しにくい、しかも連続技の突きだ。下手にサイドステップをするよりは、確実を期してここは……

「(間合いを……!)」
反射的にそう考えて下がろうとした足を、キリトはいやまて、とはたと止めた。そう言えばついさっき、恐らくは今放たれるのと同じソードスキルをユウキが初見で全て防御(パリィ)していたのを思い出す。其れは別に良いし凄まじい技術だと思うのだが、彼女のあの動体視力と反応速度、あれのお蔭で最近自分のアスナの中での片手剣士としての立場、下がってないか?と、大変くだらない事を思った。いや、別にいいのだ、だからどうだと言う訳では無いし、そもそも張り合うような物ではないのも間違いない、と
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