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SAO─戦士達の物語
MR編
百五十八話 死者を守る者
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リョウとユウキが巨大な扉をくぐると、そこは案の上、これまでの中でも最も天井の高い正方形の石室になっていた。天井の高さから察するに、部屋全体の形状としては四角柱状なのだろうか、その正方形の辺の各方向にリョウたちがくぐったのとは別の扉があり、そこから見慣れた顔の者達が数人歩み出てきた。

「あ、おつかれー!」
「はぁ、よかった……」
なかなか落差の大きいテンションで歩いてきたのはアイリとサチだ。アイリは手をブンブンと振っているが、サチの方は胸に手を当てて大きく息を吐く、よほど少人数での心細い攻略が答えたようだった。

「ユウキ、サチ〜!」
「これでやっと全員集合だな」
「皆さん無事だったんですね!」
アスナ、キリト、シリカがそれぞれの方向から歩いてくる。キリトは経験値からか対して消耗した様子はないが、どうしてかアスナの方は若干やつれたように見える。シリカはというと、欠けたメンバーがいないことに随分と安心しているようだった。

「お疲れ、シリカちゃん、無事で何よりだよー」
「あ、はい!アイリさんも!」
そんな彼女の様子を見てか、あるいは無意識にか、何方にせよ此処に来る理由になっただけにそこそこにシリカの事を心配していたのだろう。真っ先にアイリはシリカに声を駆けた。リーダーを任された後でこんなことになった故の自責もあったのだろう、シリカは全員の無事を確認した事ですっかり笑顔になる。

「アスナー!あの後大丈夫だった!?怖くなかった?」
「う、うん。ありがとう、で、でもね?ユウキ、その、あんまり私が怖がってたとかは……」
「シリカと会うまでは結構プルプルしてたぞ」
「キリト君!!」
そこからふと視線を移すと、からかうように言うキリトと心配そうなユウキの間でアスナが板挟みになっていた。一瞬彼女は助けを求めるようにリョウを見たが、「混ざって良いのか?」と言わんばかりにリョウがニヤリと笑うと、諦めたように頬を膨らませて視線を逸らしてまたキリトに非難がましい視線を向けている。

「リョウ」
「おう、無事か?」
そうして周りを眺めている彼の下へゆっくりと近づいてきた気配に、リョウは無意識に少し大きく息を吐いて応じた。再表示されたパーティメンバーのHPゲージと、彼女の装備をざっと見て耐久値に当たりを付けて。特に目立った問題がなさそうであると確認したところで、また息を吐く。

「うん。キリトとか、アイリにいっぱい助けてもらっちゃったけど……なんとか」
「そか……あー、悪かったな、カバーに行けなくてよ」
「ううん、リョウの所為じゃないし、それに私も経験になったから……心配してくれてたの?」
すこし首を傾げて聞いたサチに、リョウは軽く首の後ろを書いて肩を竦めた。

「まぁ、そりゃな、お前後衛だから孤立するとヤベェだろ」
「そ
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