03話 ふたり旅
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連れて行くことを考えると、今のうちに鍛えておいたほうが良いという判断で、志陽はユフィに対してハードなトレーニングを課していた。
「そりゃ、お宝は欲しいけど……」
でもショウのトレーニングは厳しすぎるからなぁ、とユフィは言葉に出さず内心で思っていた。ただ、厳しい分だけ強くなっているという成長も実感できていたので、結局は素直に志陽の厳しいトレーニングを受ける事にしたユフィだった。
「はぁ、はぁ、はぁ、きょ、今日はもう、終わり?」
「そうだな。そろそろ引き上げるか」
日が暮れて暗くなってきた頃にようやく、ユフィは日課となっていたトレーニングを終えることができた。彼女は地面に大の字になって倒れ込み息も絶え絶えで、本日のトレーニング終了を喜んでいる。
「うぅ……うちのオヤジより強いなんて、本当にショウは何者なんだよ」
「今までに色々と経験して鍛えているからね。それよりも、君のお父さんは強いのか?」
「あぁ。 ウータイ五強聖ってのを名乗ってて五強の塔を管理してるんだ。認めたくないけどアタシよりも、ほんの少しだけ強いよ」
「なるほど。それじゃあお父さんに勝てるように、ほんの少しだけトレーニングを続けて鍛えようか?」
「うっ。それは、かんべんして下さい……」
志陽の問いに対して、強い父親だと答える。だがしかし、本気を出して戦ったら負けやしない、と強がって言ったユフィ。そんな彼女の言葉を聞いた志陽は、からかうようにトレーニングを続けようとするが、ユフィはそれを冷や汗をかきながら懇願して止めるのだった。
***
「あんな可愛い娘とふたり旅なんて、羨ましすぎるぅぅぅ……」
「でも栄一は、リアルな生身の女性には興味無いんだろう?」
「もちろん! でも羨ましいのは、羨ましい!」
ユフィとの旅を羨ましがる栄一に、志陽が指摘した。そして、生身の女子に興味が無いと答えたのはオタクを自負する彼の本心だった。生身よりも断然、2次元のキャラクターが好きだという気持ちに嘘はない。
ゲームの世界に行ったという志陽の話を聞いている分には羨ましがっているけれども、いざ立場を変えてお前が彼女と一緒に旅をしてみるかと問いかけられたなら、絶対に嫌だと拒否するのが栄一だった。
「しかし主人公と合流前に、ユフィちゃん強化イベント!? 相変わらず、めちゃくちゃだなぁ」
「それで、続きなんだが。ようやく主人公と合流した」
「マジで!?」
志陽の話は続く。
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