真紅の神祖
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ロマニの映るモニターに目をやると、ロマニが慌てたように言った。
『そ、そこにはなんの反応もない! そこにいるのはなんだ!? まるで幻だぞ!』
褐色の、見惚れるような偉丈夫であった。
筋骨逞しく、されど物々しくなく。雄大で、偉大な英雄の存在感。……しかし、ロマニの言う通り、酷く儚かった。
格としては彼の英雄王にも匹敵するものがある。俺はそれに内心圧倒されながらも、静かに手にしていたものを置き、冷静に誰何した。
「……何者だ?」
「私は、ローマである」
その独特な物言い。ネロをみると、土気色の顔色で呆然とその超人を見ていた。
「……神祖、ロムルスか」
「如何にも。カルデアのマスターよ。私が、ローマだ。そして――」
こちらに歩みより、どっかと腰を下ろした超人は、並んで座っていた俺とネロを見据え、はっきりと言った。
「――聖杯に取り込まれ、暴走した私が英霊としての私を切り離し、そなたらの許に向かわせたのが、残滓であるこの私である」
「……」
俺は、とりあえず敵ではないとだけ理解し、酒を口に運んで、言った。
「……もう一度、分かるように言ってくれ」
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