テロリストは斯く語りき
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は絶望的ですね。光明が全く見えてきません。ランサーの加入は心強くはありますが、正道に沿って行けばどうしようもないというのが私の見解です」
そうだろうな、と俺は頷く。敵にこちらを攻める必要はない。一週間ほど防御に徹していれば、自動的に勝利は確定される。
敵には暗殺された経験という、本来はあり得ない経歴を持つカエサルがいるのだ。人類最大クラスの名将が生前と同じ轍をむざむざ踏むわけもなく、そういった方面への警戒も強いだろう。
だから俺は「詰み」だと言ったのだ。
正道も邪道も、戦略戦術も、どの視点から見てもこちらの敗北は決まっている。せめて後一週間だけでも早くここに来れていたら、まだ話は変わっていたのだろうが……そんな「たられば」に意味はない。
流石としか言いようがなかった。カエサルはもう勝利しているのである。戦略的に、戦術的に、国家的に、政治的に。故にダレイオス三世の単独の突出も放っておいた。……否、それは違うか。手綱の握れぬ狂戦士は不要として、放し飼いにされていたのかもしれない。獲物さえ間違わなければ、狂戦士も有用ではある。
現状俺達はカエサルと戦うことすら出来ないというのが実情であり。まあ堅実な指揮官、現実的な王、正道の英雄は打つ手なしと言うだろう。その上で立ち向かうからこそ英雄と言われるのだろうが……。生憎と俺はそんな上等なものではない。
「だから、な。言ったろう。俺達はテロリストだってな」
「鎮圧されるだけの暴徒、ということですか」
「端的な評価をありがとうオルタ。ずばりその通りだよ」
冷徹なまでの客観視が必要だ。オルタは――いや騎士王はそれができる王だ。
杯を人数分出す。カルデアに通信が繋がった時にわざわざ送ってもらっていたのだ。それぞれマシュ、アルトリア、オルタ、ネロのグラスに手製の甘酒を注いでいく。ノンアルコールだが、味わいには自信がある一品だ。王様方には物足りないだろうがマシュには丁度いいだろう。無論、酒もある。
まだこの場にはいない、ランサーのグラスにこれは度入りの酒を注ぐ。自分の物にはこっそりと渾身の一作、最も馴染み深い日本酒を注ぎ、一気に呷った。
空になったグラスの底を暫し眺め、俺は深く深呼吸をした。そして、言う。全てを賭けた、一か八かの大博打。
胃の腑に熱い液体が流れてくる。少しすると、腹の底から熱が回ってきた。いい酒だなんて自画自賛し、俺は透き通る思考のまま、心の奥底に酒ごと何かの感情を押し込んで……冷徹な眼差しで告げた。
「――自爆テロを仕掛ける」
それは最悪の戦法。
アレキサンダーは言ったそうだ。カルデアに目端の効く者がいたならブリタニアに現れるはずだ、と。
幼い征服王がそう言って、実際それは正解だった。であれば、あのカエサルが同様の答えに
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