影分身の術なのか士郎くん!
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ーであり、唯一生身の人間である俺が夜更かしするわけにはいかなかった。
いかなかったのだが……。
「やあ士郎くん。召喚可能の霊基一覧に歪みが生まれてしまったようだ。念のため、英霊召喚システムのテストをしたい。至急英霊召喚ルームに来てくれ」
――などと天才に通信を入れられてしまったら、流石に無視するわけにはいかなかった。
思わず、なに? と反駁してしまった。明日はレイシフト当日であり、新たに召喚するサーヴァントも決まっていた。ランサーのクー・フーリン、その全盛期である。
彼をどのように運用するか、どんなふうに作戦に組み込むかは、アルトリアらと話し合って決めてあった。前提として彼がいることは俺達の中の共通認識であるのだ。今更召喚システムに歪みとか言われても大いに困る。かなり困る。命に関わるほど困った。
仮に、システムが正常に復旧したとしても、システムのテストをするということは、サーヴァントが召喚されて増えるということ。正直、別枠のサーヴァントが来ても運用に支障が出るし、もし万が一にも問題のあるサーヴァントが来てしまったら、さらに頭の痛い問題になってしまう。
……仮に、あの英雄王が召喚されたのなら、これほど心強いことはない。特異点の人理定礎復元も大いに楽になるのだが。まあ、流石にそんなご都合主義は期待するだけ無駄である。
そも贋作者にして道化である俺の召喚に、英雄王が応じるとはとてもじゃないが思えない。
「勘弁してくれ、今問題なんて起こったら致命的だぞまったく」
頭が痛い。が、文句を言ったところで何が変わるでもなし、俺は仕方なしに指定されたルームに向かい、システムのテストに付き合わされることとなった。
そこで、俺は眩暈を感じる。 ――ああ、もう……今から波乱の予感しかしない。
メンテナンスの後、テスト的に起動した英霊召喚システム・フェイト。
ダ・ヴィンチ謹製の呼符を用いての召喚に魔力が高まり、目を焼く光と共に顕現したのは――いつか見た、黒き聖剣の王その人だったのである。
「どうしました、シロウ。盟約により、召喚に応じ参上しました。さあ、雑魚どもを蹴散らしに参りましょう」
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