幕間の物語「いつかどこかの時間軸」2
鬼!悪魔!士郎くん!
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ら本当に助かるのだが。死徒撲滅運動も捗るはず。
そんなことを考えつつ、やって来たのはダ・ヴィンチの工房だ。切嗣は機械みたいな生態なので、呼べばいつでもどこでも出てくるはずである。わざわざ探すまでもない。
工房の前で扉をノックし、中に入ろうとする前。
ノックしようと手を伸ばすと、中から異様な雰囲気を感じて手を止めた。
「……?」
眉を顰め、何事かと耳を澄ませる。すると、何やら啜り泣く声が聞こえた。
『ううう、ラムレイ、ラムレイぃぃ……』
『なんてことだ、私のラムレイ号が、こんな見るも無惨な姿に……!』
『ひどい、ひどすぎます。シロウは変わってしまいました、かつては誰にでも優しい良い子だったはずなのに……それがどうしてあんな……うぅぅ』
『……泣いてるだけじゃダメだ、騎士王さま』
『ダ・ヴィンチ……』
『これから私は、新たにラムレイ号を生まれ変わらせる。ラムレイ号はラムレイ二号機として甦る』
『おぉ……! そ、それはかつてのラムレイの勇姿を引き継ぐということですね!』
『無論だとも。かつてよりも勇壮に、かつてよりも可憐に、ラムレイの獅子頭は進化する! それが天才であるこの私の仕事だ!!』
「……」
バカなのだろうか。
なんかドッと疲れた気がする。白髪が増えたかもしれない。
俺は帰ることにした。
『むっ! ……その芳しいチーズの匂い……さてはシロウですね!?』
アルトリアの声。無駄に勘がいいのがホント腹立つのですが。というかチーズって……判断基準は食い物なのか。
色々やるせない気持ちになる。昔は、とか語るなら俺にも言わせてほしい。昔のお前はもっと生真面目で委員長気質な騎士様だったろう? それがなんでそんなふうになってるんですかね。
扉がスライドし、中からアルトリアが飛び出てくる。
「シロウ! 話があります、中に入って正座してください! ラムレイに対するあの仕打ち、看過できることではありません!」
「……せめて俺の眼を見て言えよ」
手にしている皿の上のチーズと発泡酒から眼を離せ。
俺は嘆息して、工房の中に入った。
「あ、本当に士郎くんだ。さすが騎士王さま、呆れた嗅覚をして……、……その芳しい香り、雄々しいチーズの山はまさかッッッ!?」
余裕綽々といったいつもの態度が、俺の持つモンテボーレに気づいた瞬間、驚愕に眼を瞠き、真顔で俺を見た。
「そ、それは! そんな、まさか……! 失われたオーパーツの――」
「モンテボーレだ」
「お、おお! おおお!!」
「シロウ! 私に! 今回敵サーヴァントを四騎以上は倒している私にそれを! あとお酒も!」
「あっ、こら騎士王さま! それは私のダ! 断じてこの私を差し置いたままモンテボーレを手に
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