第五章
[8]前話
女の子達を洞窟の方に行かせて自分は囮となるべく鮫の方に向かおうとしたが。
鮫は又吉が投げた治金丸の一撃で倒された、こうして作家は難を逃れてだった。
鮫が出たということで安全の為に女の子達と共に一旦海を出て自分達を助けてくれた又吉と北原に深々と頭を下げて礼を述べた。
「有り難う、お陰で助かったよ」
「そうですか、ですが」
「ですがというと?」
「貴方がどんな人か見せてもらいました」
先程のことをというのだ、女の子達を助ける為に自ら囮になろうとしたそれを。
「見事です、そのお心を忘れないで下さい」
「遊び人なら女の子は大事にしろ」
作家は右手をサングラスにあてつつ話した、ダックのその翼のそれを。
「そう思っているからね」
「だからですか」
「当然のことをしたまでだと、ただ」
ここでサングラスを外した、するときりっとした二枚目の目が姿を現した。目の光もキラキラとしたものだ。
「助けてもらった、なら君達の言葉を聞かないといけない」
「では」
「遊びは何時でも出来る」
それでと言うのだった。
「たまには家族にも顔を出そう」
「そうしてくれますか」
「そのうえで次回作を書くよ」
作家、ウォーリー与那嶺は男らしい笑顔で又吉に答えた、そしてだった。
作家は実家に帰りこの時のことを書いて代表作の一つとした、これにて一件落着となった。
仕事を終わらせた二人は琉球を後にして次の目的地に向かうことにした、その目的地に向かう彼の手にあるものが宿った。
「恵比寿の釣り道具です」
「それを貰ったでごわすか」
「はい、これがあれば」
まさにとだ、又吉は北原に話した。
「漁業のあらゆる知識がです」
「教えられるでごわすか」
「はい、素晴らしいものです」
「これで太平洋の漁業はさらに発展するでごわすな」
「そうなります、素晴しい神具を得ました。それに」
又吉は北原にさらに話した。
「僕自身今回の試練を果たして」
「力が、でごわすか」
「全てにおいて一段階強くなりました」
このことを実感しているというのだ。
「有り難いことです」
「全くでごわすな、ではでごわすな」
「はい、これよりですね」
「次の場所に向かいましょう」
「その新たな力を以てでごわす」
「そうしましょう」
二人で話してだ、そのうえで船から次の場所に向かうのだった。この世界を救わねばならない彼等に立ち止まることは許されないが故に。
馬鹿息子を探して 完
2019・1・23
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