暁 〜小説投稿サイト〜
人理を守れ、エミヤさん!
酷すぎるぞ士郎くん!
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できなくなってきた。さっきのフランス兵の顔を見たか。まるで色物戦隊でも見る目だったぞ」
「うっ。……い、いいじゃないですか獅子頭。かっこいいでしょう」
「お前のセンスが死んでるのはわかった。頼むからダ・ヴィンチに自分好みの改造をさせるな。普通で良いんだ、普通が良いんだよバイクは」

 あとバイクにでかでかと『ラムレイ号』とか刻んだネームプレートを張り付けないでほしい。かなり恥ずかしいのだ。乗っていると獅子頭の後頭部が見えて死にたくなるのだ。
 俺は昨日の夜から定期的に宝具を投影し、武器庫(サイドカー)に貯蔵しているわけだが、きらりと光り、夥しい魔力を放つ投影宝具がシュールに見えて仕方ない。

 おかしいなあ。こんなはずじゃなかったのに……。俺が涙目になっていると、アルトリアも涙目になっていた。
 自分のセンスを全否定されて泣きそうなのか。俺も泣きたい。なんで他のことだとメンタル強くなってるのにそういうとこだけ昔より脆くなってるのですか。王よ、私には貴方の心がわからない。私は悲しい。ぽろろーん。

「先輩、休憩しましょう。疲れてるんですよきっと。休んだら元気が出るはずです」

 相乗りしているマシュが健気にもそう言って気遣ってくれた。
 よし休憩しよう。何時間も走り続けてると俺まで獅子頭と人機一体になってしまう。無駄に乗り心地良いのが憎たらしい。ハンドル捌きが達者なキシオウ様がやたらムカつく。

 この時ばかりは、アルトリアに刺々しいマシュも態度に棘をなくし、憐憫の眼差しで見遣っていた。

 アルトリアはラムレイ号を止めた俺の隣にドゥン・スタリオン号を停車させ、小さくなって俯いていた。そんな彼女に冷たい目を向け、俺は露骨に嘆息する。

「あーあ。敵サーヴァントを一気に片付けた誰かさんのこと凄いと思ってたのになー。台無しだなー。わたしはかなしー」
「うぅ……」
「ぽろろーん。ぽろろーん」
「サー・トリスタンの物真似はやめて差し上げてくださいっ」
「ちちうえー。ちちうえー」
「グググ……!」
「モードレッド卿もだめです!」
「ちちうえとか言われてるが、言うほど乳はないよなアルトリア」
「ぅう、うわあああ!!」

 ドゥン・スタリオン号に縋りつくようにしてアルトリアは泣き崩れた。
 それを尻目に、俺は呟く。

「ほんと円卓は地獄だぜ……」
「いえ、今は円卓は関係ないかと……あとセクハラです先輩」

 脳内に展開していた偽螺旋剣の設計図に魔力を通し投影する。全工程を完了し、それをサイドカーに貯蔵して、ラムレイ号から離れた。
 現在、貯蔵しているのは偽螺旋剣を五本。赤原猟犬を四本。原罪を六本。勝利すべき黄金の剣を五本。余裕がある時に投影しておこうと思ったのだ。実戦に際して一々投影していては間に合わ
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