暁 〜小説投稿サイト〜
干支の巫女
制御困難の火竜編
005話 リューグの兄、リューガ
[1/4]

[8]前話 前書き [1] 最後



この世界に来る前に襲ってきた謎の怪異についてはまだ現状ではなにも分からないけど、とにかく私が【干支の巫女】というものになってしまったというのはなんとなくだけど理解できた。
リューグの力を吸収してしまって、なんか私とリューグの間にパスみたいなものが繋がったというのもわずかながらも私も感じ取れるんだから嘘ではないんだろうし。
それでって訳じゃないけど、魔気が使用できるとかはまだ勉強しないとどうにもならないけど、この世界でしばらくは生きていく事になるんだからいずれは習得しないといけないよね。
まぁ追々こなしていけばいいと思う。
とりあえず、今はしておかないといけない事がある。
それはというと……。

「リューグ。決して覗かないでね?」
「ああ。分かっているから入ってきていいぞ」
「うん」

それで私は少し汚れてしまっていた服を脱いで畳んで一か所にまとめて湖に体を沈めていく。
そう、体を洗う事です。
うう〜…冷たい。
まぁ、夏ほどではないけどそこまで寒くはないので体を洗うのにはちょうどいい。
この世界に来て四日目だけど、色々あって今は落ち着いたので体を洗っていない事にようやく気付いたのでこうして体を清めているところだ。

「あー…でも慣れてくるとそこまで冷たくもないかな? あ、滝がある。ちょっと浴びてこようかな」

そんな感じで少しの間、私は裸で泳いでいたんだけど……リューグ、本当に覗いていないよね?
リューグがいる方へと目を向ければ岩陰に寄りかかっているのか少し肩が見えるので見ていない事は確かであった。
もし覗いたら承知しないんだからね。

「……そろそろ上がろうかな」

何度も体を擦っておいたので今日はもう大丈夫だろう。
そう思って上がろうとした瞬間だった。
ぞわっとしたような、誰かに見られているような感覚に襲われてすぐにリューグの方に顔を向けるが、相変わらず肩が少し見える感じだった。
それで少し不思議に思っていた時だった。

「リューグの様子を見に来たんだが、こりゃ可愛い人間がいたもんだな」
「えっ!?」

いつの間にか私の目の前に赤と黒が入り混じった髪色をしている以外はリューグと似た顔つきをしている人が腕を組んで立っていた。
顔がにやけているけど…そうだよね。冷静に考えて今の私は裸で生まれたままの姿だ。
それに気づいた時にはもう私の頭は盛大に羞恥心で混乱していたために、

「きゃ…」
「きゃ?」
「きゃあああああーーーー!!!!」

私は悲鳴を上げながらも大事な部分を必死に隠すようにしゃがみこんだ。
私の悲鳴が聞こえていたのか、

「ルカ! どうしたんだ!?」
「りゅ、リューグぅー…この変態は誰ぇ?」
「変態とはまたひどい言い草だな」

その人は軽そう
[8]前話 前書き [1] 最後


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ