第18話
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に前方から真上へと移動した朱菜の攻撃を防いだ。
けど、朱菜の放った鋼金暗器の一撃はかなり強かったみたいで、地面に亀裂が入ってガゼル王の足が少し減り込んでる。片手で振るった攻撃の威力がこれなら、両手で振るわれた場合はどうなるんだろう?
………考えない様にしよう。あっ、朱菜が飛雷神二の段に使った苦無を口に咥えて、鋼金暗器を両手で持った。
うおっ!すげぇ、連続突きだ!いや、突きの合間に横薙ぎと袈裟斬り、斬り上げも加えている。ガゼル王が防戦一方だ。
「……剣士としての腕はお父様や白老ほどではありませんが、お兄様より上の様ですね。手心を加えた状態で正面から打ち破るには時間が掛かりそうなので、変則的な攻撃を仕掛けてみましょう」
朱菜はそう言うや否やガゼル王から距離を取り、一瞬で鋼金暗器の形状を変化させた。
「鋼金暗器、二之型・龍――鎖鎌」
「……形状を変化させるとは、珍しい武器を持っているものだ」
「この鋼金暗器は6つの顔を持っています。ガゼル王はいくつの顔を見れるのでしょうね?」
「久々に血が滾ってきた。残りの4つも見せて貰うとしよう」
朱菜が鎖を振り回しながら挑発すると、ガゼル王は獰猛な笑みを浮かべながらそう口にした。このおっさん、もしかして戦闘狂なのか?
朱菜が巧みに操る鎖鎌はガゼル王の鎧を傷付けることはあっても、体には一切傷を付けられずにいた。これは朱菜が手加減しているからなのか?はたまた、ガゼル王が紙一重で避けているからなのか?
あっ!ガゼル王が鎖鎌の動きを読み切って、朱菜との間合いを詰めた。朱菜も鎌の方を引き戻したけど、近距離では鎖鎌は不利―――おい、いつの間に鎖鎌から鋏に変わった?
「三之型・極――大鋏」
朱菜はガゼル王の一撃を白刃取りの様に大鋏の刃で挟み込んで受け止める。見応えのある攻防だけど、そろそろ止めた方がいいかな?このまま続けさせたら、人となりを知る為の試合が死合になりそうだし。
「おーい。俺達の人となりを知る為に始めた勝負ならそろそろ終わらせてもいいんじゃないか?十分過ぎる位刃を交わしただろ?」
俺がそう告げると、ガゼル王と朱菜は同時に視線を向けてきた。そして、天翔騎士団(?)の騎士達は「よくぞ止めてくれた!」的な視線を向けて来る。
「そうだな。では、次の一撃を最後としよう」
ガゼル王はそう言うや否や、姿を消した。この技は白老と始めてた戦った時に使われた技に似ている。次にガゼル王が姿を現した時、朱菜は袈裟斬りで真っ二つになっていた。
と思いきや、真っ二つになったのは丸太だった。変わり身の術で入れ替わった様だ。そして、本物の朱菜は鋼金暗器を一之型・牙――薙刀へと戻し、ガゼル王の背後からそ
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