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憑依先が朱菜ちゃんだった件
第18話
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…この場に居る全員と剣を交える気なのか?」
「貴殿がこの森の盟主であるなら、貴殿の人となりを知ることができれば、その配下のことまで心配する必要はない。森の管理者たる樹妖精(ドライアド)が下剋上される様な愚者を盟主にするとは思えぬしな」
「ならば、リムル様の前に私と剣を交えて貰いましょう」
「何?」
「私もリムル様と同じく樹妖精(ドライアド)であるトレイニー様によって盟主代理に選ばれました。盟主の人となりを知りたいのであれば、剣を交える相手は私でも構わない筈。それとも魔人とは言え女に負ける危険性は冒せませんか?」


うおっ!ここに来て朱菜がガゼル王を煽り始めたぞ。これはあれか?さっきまでの俺に対する煽りの逆襲か!?

あと、紅麗達と同じくガゼル王の部下も煽り耐性がないのか?武器に手を掛けた奴が何人かいるぞ。ガゼル王が手を出すな的なジェスチャーをしたことで手を離したけど。


「ふむ。俺は手合せする以上、相手が女でも手加減ができん。それでも構わんか?」
「構いません。逆に私の方が手心を加えましょう。亜人より能力的に格上な魔人なので」
「あの、朱菜さん?さっきからガゼル王に刺々しくないですか?」
「刺々しく等ありませんよ、リムル様。ガゼル王がリムル様に無礼な態度を取ったことなど、別に気にしてもいません」


語るに落ちるとは正にこのことだ。ここは止めるべきか?けど、朱菜も手心を加えると言ってるし、尾獣チャクラモードとか六道仙人モードを使うことは無いと思うし………。

あっ!朱菜がいつの間にか鋼金暗器を、ガゼル王も剣を抜いて構えてる!これはもう止められそうにないぞ!!

取り敢えず、人間や亜人も含めた他種族との友好関係の構築を考えている俺としては、交友断絶になりそうな勝負だけは絶対に避けて欲しい。


「トレイニー様、立会人をお願いします」
「………では、僭越ながら立会人を務めさせて頂きます。始め!」


トレイニーさんの開始の合図と共に駆け出す朱菜に対し、開始地点から一歩も動こうとしないガゼル王。あれは朱菜が女だからって油断しているな。

しかし、何で朱菜は鋼金暗器を両手じゃなくて右手だけで持ってるんだ?。何か意味が―――……成程、左袖の内側から取り出した苦無を投擲する為か。

白老に鍛えられてるから少しは分かるんだが、ガゼル王は剣士としても一流だろう。投擲された苦無を避けることも弾くことも難なくできる筈。

………やっぱり、俺の予想通り難なく苦無を避けた。けど、あの苦無を避けるのは悪手だ。何故なら―――


「ッ!!?」
「あら?初見で飛雷神二の段を防がれるとは思ってもみませんでした」


投擲された苦無には飛雷神の術のマーキングが施されているからなんだが、ガゼル王は瞬間的
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