第18話
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の名前も今の姿も知りませんよ」
「そうだっけ?今の姿は兎も角、名前は裁判の時に――」
「裁判の時は王の許しが無かったら一切発言できないって教えただろ?」
「………あっ。そういえば、あの時ガゼル王と会話したのってお前だけだっけ?半年も経ってない筈なのに、すっかり忘れてたわ」
カイジンとの会話から察するに、この銀髪の魔人はあの時のスライムの様だな。だが、スライムが人に擬態するなど聞いたこともない。
「……貴殿は本当にあの時のスライムなのか?」
「そうだよ」
「名有りの様だが、名有りになってから人に擬態できる様になったのか?」
「いいや。裁判の時には既に名有りだったけど、人に擬態できる様になったのはドワルゴンを出入り禁止になって以降だ。色々とあってね。信じられないなら裁判の内容でも話そうか?」
「いいや。そこまでする必要はない。しかし、スライムがジュラの大森林の盟主とは、些か信じられぬな」
そう。この町の長であることは百歩譲って信じられたとしても、スライムがジュラの盟主など信じられぬ。おっと、俺の発言に対してこの者の家臣と思しき魔人達が殺気立ち始めたな。
魔人達の殺気に対して、我が家臣達も武器に手を掛けている。このままでは一触即発の事態となりかねん。だが、未確認の事柄に対して謝罪ができる程、王という立場は軽くも無い。この事態を収拾するにはどうしたものか……。
【視点:リムル】
………やべぇ。ガゼル王の発言に対して、紅麗達が超殺気立ってるよ。特に蒼月と蒼影の笑みが超怖い。逆に朱菜は全く殺気立ってない。何でだ?いや、朱菜が殺気立たないことはいいことなんだけど。
俺がそんなことを考えていると、俺とガゼル王の間に3枚の木の葉が舞い落ち、3人の樹妖精が姿を現した。その内の1人は俺のよく知ってる樹妖精で―――
「ドワーフ王。森の管理者である私達樹妖精が盟主と認めた方に無礼な態度を取るのは止めて頂きましょうか」
「「「「「「「「「「樹妖精!?」」」」」」」」」」
「やぁ、トレイニーさん。会うのは同盟締結以来かな?」
「ご無沙汰しております、リムル様」
「………ふむ。樹妖精の態度を見る限り、貴殿がこの森の盟主であることは事実の様だ。だが、俺達には他にも確認せねばならぬことがある」
「他に確認しなきゃいけないこと?」
「貴殿らが人に仇為す魔人か否か。その本質を見極めねばならぬ」
「俺達の本質を見極めるって、どうやって見極めるんだ?言葉を交わすだけじゃ駄目っぽいけど」
「簡単なことだ。俺も武人の端くれ、剣を交えれば相手の人となりを知ることはできる」
「…
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