純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 15
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プ)を大きく開いた口の中へ勢いよく投げ入れた。
そうして
「……………………………………あれ?」
小刻みに上下する、濡れた睫毛。
「しょっぱくない。てか……、美味しい?」
「!? なんだって!?」
「バカな……っ!!」
「あの強烈な塩辛さを感じない、だと!?」
目を点にした漢の呟きに、本日何度目かの衝撃を受ける仲間達。
一口含めばもれなく味覚障害を引き起こす凶悪なしょっぱさだった筈。と、疑いの眼差しが集まる先で。
漢が再び匙を引き寄せる。
開いた唇を閉じ、歯と歯を何度も噛み合わせ
「……食感はアレだけど…… 美味しい」
喉の奥へゆっくり滑り込ませた物の代わりに出て来た言葉は、微妙な含みはあれど、紛れも無く賛辞の類。
漢が勇敢なる行動と引き換えに得たものは、何故か美味しく感じる塩糊と、食堂内に満ちる男達のどよめきだった。
「次期大司教様……これは、いったい」
「私が作った、味覚を誤魔化すお薬です」
「味覚を誤魔化す、薬?」
「ええ」
近くのテーブルにポットを置いたプリシラが、にっこり笑って頷く。
「子供達が作る料理は大抵味が濃かったり薄かったりするので、調整用にいろいろ常備させているのです。皆様にお配りしたのは「塩味」を感じ難くさせる物。その水を口に含んだ時、酸っぱさを感じましたでしょう?」
「は、はい。僅かに、ではありますが」
「塩味には酸味が有効。ですから酸味が強い食材と調味料の成分に手を加えたこのお薬で、塩味に対する防御膜を口内に張ったのです」
「な、なるほど……いえあの、ですが、それだと塩辛さを感じなくなるだけですよね?」
塩味が薄くなるだけじゃなくて明らかに美味しくなってるんですが、と言いかけて、漢の目線が宙を泳ぐ。
子供達はまだ食堂の出入り口付近に居る。不用意に不味い、味が悪いなどと口走ってしまったら、彼らにも聞こえてしまうかも知れない。悲しませてしまうかも知れない。
客観的に見てこれまでの態度が感想になっている事実はさておき、思い遣りを忘れない紳士達にプリシラは笑みを深めて再度頷いた。
「サラダやスープに関しては、野菜そのものの香りや雑味、原型が無くなるまでじっくり煮込んで引き出された甘味や旨味が消滅している訳ではありません。貴方の口内に残る酸味成分が塩味をまろやかな物に変えたことで、隠れてしまっていたこれらの味に気付けたのです」
「では、この美味しさは、元々の……?」
「ええ。見た目と塩の量で難が目立つ料理ですが、それさえ誤魔化してしまえば普通に食べられるんですよ。食感とパンは手の施しようが無くて申し訳ないのですけど……ああ、際立った味を抑える分、摂取後通常の料理で
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