暁 〜小説投稿サイト〜
人理を守れ、エミヤさん!
悲しいけど戦争なのよね士郎くん!
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何かを喚きながら飛び去っていく。
 マスターは冷徹にそれを見据え、最大攻撃力を発揮できる螺旋状の剣弾を弓につがえた。

 魔力充填開始。見る見る内に遠ざかっていく黒い女はまだ射程圏内。仕損じた時のため、念を入れて命じる。

「アサシン。行け!」

 瞬間、赤い影が馳せた。
 それに構わず、遥か上空を行く魔女に向けて、マスターは投影宝具を射出した。
 カラドボルグ。空間ごと捻りきる魔剣。竜の魔女は直前で気づき、防御の構えを見せた。

「――壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)

 着弾の瞬間、螺旋剣を爆破。

 手応えはあった。どのみち、これで射程圏内からは離れただろう。追撃は困難。
 今ので仕留められたのなら僥倖。少なくとも深傷は与えた。しばらくは動けまい。

「先輩。これからどうしましょうか」

 アルトリアが合流してくるのを遠目に見て、マシュが指示を仰いできたのに応じる。
 廃墟となっていた砦は、綺麗さっぱりなくなっていた。人類最強の聖剣、対城宝具を受けたのだから当然だ。
 無事なのは、マシュの後ろにあった瓦礫の山だけ。火も消し飛んでいる。

 マスターは言った。霊脈としては下の下だが、ここでも特に不自由はない。

「――召喚サークルをここに設置しよう。今日はここまでだ」

 日が傾き、夜が来る。深追いは禁物だった。









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