暁 〜小説投稿サイト〜
人理を守れ、エミヤさん!
悲しいけど戦争なのよね士郎くん!
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
意識的に遮断。必要な情報だけを得る。
 こちらがマスターで、マシュがデミ・サーヴァントだと見抜いてきた。そして、砦の外に置いてきたアルトリアの存在まで知られている。見え透いた伏兵に掛かると思っているの? と、嘲笑していた。

 ――何故? 気づかれるような落ち度はなかったはずだ。感知能力が高いという一言だけでは片付けられない。それだけの感知能力があるなら、気配遮断しているアサシンにも気づけるはず。なのに気づいていない。
 ……可能性としてあの竜の魔女はルーラーか、それに類するエクストラクラスを得ていると考えられる。ジャンヌ・ダルクならばあり得ない話ではない。
 過去、聞いたことがあった。聖杯戦争を監督するためのサーヴァントが存在すると。それがルーラー。調停者のサーヴァントは、サーヴァントの位置を把握することが可能だと言うが……。それならアルトリアの位置を知られていることにも筋が通る。

 であれば、相手は常にこちらの位置を把握して戦略を練れるということだ。

 それは、こちらに圧倒的に不利となる情報。いつでも奇襲される恐れがある。まだこちらがレイシフトしたばかりということもあり、手を打たれてはいないとなれば……今が最大の好機。都合が良いことに敵の主力と思われるサーヴァントも揃っている。

 やる必要はあっても、やらない理由はない。ここを逃せば対抗策はアサシンだけしかない。

「――令呪起動(セット)。システム作動。セイバーのサーヴァント、アルトリア・ペンドラゴンを指定。『宝具解放』し、聖剣の最大火力で砦を薙ぎ払え」

 なっ!? 自分達ごと!? と驚愕する敵勢力。爆発的な魔力の気配。
 咄嗟に動いたのは聖女らしきサーヴァント。宝具で対抗しようと言うのか。
 手にしていた黒弓に投影したまま背負っていた「原罪」をつがえ放つ。宝具の解放を妨害する目的で、ヴラド三世と聖女を中心に巻き込むように「原罪」で壊れた幻想を使用。
 有効なダメージを確認。目的達成、宝具展開阻止。

「マシュ、宝具だ」
「了解。宝具、偽装登録――展開します!」

 構えた盾から淡い光の壁が構築される。

 迸る黄金の光の奔流が、横薙ぎ(・・・)にマスターごと砦を、五騎の敵サーヴァント達を呑み込んだ。
 マシュの盾と、アルトリアの聖剣の相性がいいから出来ることだ。もしもブリテンの聖剣以外で、Aランク超えの対城宝具を撃たれたらマシュは耐えられない。
 光の津波を遮る盾の後方で、マスターはその鷹の目でヴラド三世と思われる吸血鬼、カーミラらしき女吸血鬼、竜騎兵のデオン、聖女が聖剣の光に焼き払われたのを見届けた。

 しかし、肝心の竜の魔女は回避した。空を飛んで。

 ――飛行できる? 不味いな。

 決死の顔で回避した竜の魔女は、
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ