悲しいけど戦争なのよね士郎くん!
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意識的に遮断。必要な情報だけを得る。
こちらがマスターで、マシュがデミ・サーヴァントだと見抜いてきた。そして、砦の外に置いてきたアルトリアの存在まで知られている。見え透いた伏兵に掛かると思っているの? と、嘲笑していた。
――何故? 気づかれるような落ち度はなかったはずだ。感知能力が高いという一言だけでは片付けられない。それだけの感知能力があるなら、気配遮断しているアサシンにも気づけるはず。なのに気づいていない。
……可能性としてあの竜の魔女はルーラーか、それに類するエクストラクラスを得ていると考えられる。ジャンヌ・ダルクならばあり得ない話ではない。
過去、聞いたことがあった。聖杯戦争を監督するためのサーヴァントが存在すると。それがルーラー。調停者のサーヴァントは、サーヴァントの位置を把握することが可能だと言うが……。それならアルトリアの位置を知られていることにも筋が通る。
であれば、相手は常にこちらの位置を把握して戦略を練れるということだ。
それは、こちらに圧倒的に不利となる情報。いつでも奇襲される恐れがある。まだこちらがレイシフトしたばかりということもあり、手を打たれてはいないとなれば……今が最大の好機。都合が良いことに敵の主力と思われるサーヴァントも揃っている。
やる必要はあっても、やらない理由はない。ここを逃せば対抗策はアサシンだけしかない。
「――令呪起動。システム作動。セイバーのサーヴァント、アルトリア・ペンドラゴンを指定。『宝具解放』し、聖剣の最大火力で砦を薙ぎ払え」
なっ!? 自分達ごと!? と驚愕する敵勢力。爆発的な魔力の気配。
咄嗟に動いたのは聖女らしきサーヴァント。宝具で対抗しようと言うのか。
手にしていた黒弓に投影したまま背負っていた「原罪」をつがえ放つ。宝具の解放を妨害する目的で、ヴラド三世と聖女を中心に巻き込むように「原罪」で壊れた幻想を使用。
有効なダメージを確認。目的達成、宝具展開阻止。
「マシュ、宝具だ」
「了解。宝具、偽装登録――展開します!」
構えた盾から淡い光の壁が構築される。
迸る黄金の光の奔流が、横薙ぎにマスターごと砦を、五騎の敵サーヴァント達を呑み込んだ。
マシュの盾と、アルトリアの聖剣の相性がいいから出来ることだ。もしもブリテンの聖剣以外で、Aランク超えの対城宝具を撃たれたらマシュは耐えられない。
光の津波を遮る盾の後方で、マスターはその鷹の目でヴラド三世と思われる吸血鬼、カーミラらしき女吸血鬼、竜騎兵のデオン、聖女が聖剣の光に焼き払われたのを見届けた。
しかし、肝心の竜の魔女は回避した。空を飛んで。
――飛行できる? 不味いな。
決死の顔で回避した竜の魔女は、
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