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人理を守れ、エミヤさん!
俺達の戦いはこれからだ!
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かにと思ったアサシンは、マスターと似た者同士なのかもしれない。
 しかしアサシンとマスターの命は等価ではない。アサシンの代わりはいるがマスターにはいないのである。同じ尺度で図れるものではなかった。

「君は自分の価値をもっと自覚するべきだな。君というパーツは、唯一無二のものだ。僕と同じ視点でものを言う資格はない」
「……なあ、切嗣」
「……」
「……アサシン」
「なんだい?」
「俺のことは名で呼べ。君とかあんたとか、他人行儀な姿勢は好ましくない」
「……君は、まだ僕を自分の父親に重ねて見ているのか?」
「いや。だが俺達はもう『戦友』だろう」

 その言葉に、思わずアサシンはマスターの顔を凝視した。
 正気か、と再び思う。狂ってる、と思う。いや、と首を振った。コイツは、ただのバカだ。

「親子以前に、命を預け合う関係なら、もっと信頼し合うべきだ。こういうのは一方通行じゃ意味がない」
「……」
「切嗣」
「……はあ。とんだマスターに召喚されたもんだ。わかった、マスター命令だ。大人しく従うとする。士郎(・・)――これでいいかい?」
「グッドだ」

 満足げに微笑み、士郎はぐったりと体から力を抜いた。

 医療スタッフにマスター……士郎を引き渡しながらアサシンは思う。
 その笑顔(かお)は、あの少女にでも見せてやるんだな、と。







 ふと目を覚ますと、無機的な清潔さを保つ部屋にいた。
 視線の先には染み一つない白い天井。左手首には点滴を繋ぐ管がある。思ったように体が動かなかったので、視線だけを彷徨わせると、鈍った頭で自身が病室にいることを悟った。
 全身には包帯。何やら薬品臭いところから察するに緊急的な手術でもあったのかもしれない。
 大袈裟な連中だ、と思う。こんな程度でどうこうなるほど柔じゃないのに、と。
 だがまあ、疲れていたのは確かだ。少しくらいなら大人しく休んでもいいか、と曖昧に呟く。声には出なかったが、気配はしたのだろう。右手側に、んぅ、と可愛らしい寝息が聞こえた。
 そちらに目を向けると、マシュがいた。白衣に、眼鏡。縋りつくように俺の手を握っていた。

「……」

 その姿がいじらしく、なんとも言えない擽ったさを覚えて、俺はなんとなしに少女の髪を右手で梳いた。
 心地良さそうに、マシュは相好を崩す。
 子供の頭を撫でるのには慣れていた。流石にマシュを子供扱いはできなくなってきたが、それでも俺の中でマシュは慈しむべき妹分なのだ。……まあ世界中の弟分も含めたら結構な数になるが、それは言いっこなしだろう。血の繋がりだけが全てではないのだから。

 ふと、マシュが目を開いた。そして俺と目が合う。

「あ……せんぱい……」

 寝惚け気味にこちらを見て、
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