卑の意志は型月にて最強
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とまで丁寧に教えてくれた。
後は、この消えてなくなる特異点と運命を共にするといい! などと吐き捨て去っていこうとした所を、
まあ、あれだ。
……真に申し訳ないが、あんまりにも隙だらけだったもので。
つい、殺っちゃったわけである。
こう、アサシンに背中を刺させて。ぐさり、と心臓を一突き。まあ、なんだ。それだけだと死にそうになかったので、剣弾を都合七発叩き込んで針鼠にした。アサシンも念のため宝具のナイフを撃ち込んだ後、キャリコで滅多撃ちにしていたものだ。
結果、大物を気取る小物なテロリストを、なんやかんやと仕留めることが出来たわけである。
あまりにも予定調和過ぎて描写の必要性も感じないほどで、見所だったのは殺されてしまった自分を自覚し、顔を歪めたところだけだった。
な、アサシン……!?
あの顔はそんな驚きに染まっていた。一時とはいえ同じ組織に属した仲間だったこともあり、なんとも言えない気分にさせられたものだ。
「……」
ロマニは難しい顔のままマシュの状態をチェックしておきたいという名目で、マシュを穏便に管制室から追い出した。
それから、彼にしては珍しくかなり真剣な面持ちで俺に問いかけてくる。
「……それで、今の話だけど、僕はどこまで士郎くんを信じていいのかな?」
「む。ロマニは俺が信じられないのか?」
それは、緊急時とはいえ、カルデアのトップに突然立たされた男の責任感ゆえの問いだった。
個人的に信じられるかどうかではない。組織人として信用できるのかを見極めんとする、当たり前の疑いである。こんな問いかけをすること自体、人のいいロマニにとっては辛いはずだ。
それを理解しているから、俺は疑われたぐらいでロマニに怒りの感情を抱くことはなかった。
やや芝居かかった俺の態度に、しかしロマニは真摯に応じる。
「信じたい。けど、それ以上に僕はレフ・ライノールが裏切り者だったことが信じがたいんだ。悪いけど、僕はその現場を見ていないからね」
「……まあ尤もな話ではあるか」
奴と俺では積み上げてきた信頼の度合いが違う。俺を信じろ! などと強弁したところで、なんの証拠もなく信じられるものではない。
むしろ俺の方が怪しいとも言えた。一番始めにカルデアの内部犯に対する防備の薄さを危険視し、防備を固めるべしと提言。実際に爆破テロがあり、俺は狙ったように生き残り、レイシフトした上で帰還した俺の方がよほど胡散臭かった。端的に言って、出来すぎなのである。
だが、俺が何かを言うより先に、ダヴィンチが意味深に笑みを浮かべながら言った。
「無駄な問答はやめときなよ、ロマニ」
「……無駄かな、これ」
「そりゃ無駄さ。カルデア最後のマスターは、我々にとって幸
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