暁 〜小説投稿サイト〜
ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第24話 続き得た未来の可能性
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にいるはずだという推測が当たり、普段エースがいる教室には他の女子と楽しそうにしているミストの姿があった。
その手元には参考書があるが、手が止まっているのを見るあたり雑談込みになっているのだろう。もっとも、エースと違って要領よくやるタイプなので、それでも問題はない。
「おーい、ミスト、分かんないとこ教えてくれ」
教室の外からミストに声をかけると、呼ばれたミストは一つため息をついてから出て来た。
「ちゃんと自分で考えたの?」
「考えてこれなんだが」
「そう。居眠りとかしてない?」
「ギクッ」
「やっぱりしてたのか……はぁ、全く」
そうは言いつつも毎回きちんと教えてくれるミストに感謝しつつも、エースは参考書の詰まったカバンを一度置いて、必要なものだけを取り出した。指をずらしながらページをめくり、聞こうとしていた箇所を探し出す。
「そのいつもに関して1つ聞きたいんだけどさ、なんで君は真っ先に僕のとこ来るの?」
「いやだって弟だしさ。一番身近で聞きやすいじゃん」
その途中でミストに聞かれた質問に対して、視線をミストに向けることなく、またなんの迷いもなく言ったエースの言葉。
それに対してミストが首を傾げるまでにかかった時間は、誰もが認識出来ないほどに短かった。
「君は何を言っているんだい? 確かに顔は似ているって言われたことはあるけども、君と僕は赤の他人だよ。その証拠に、僕の誕生日は君の一日後、12月26日だ。それに僕の姓はスプラヴィーン、君の姓はフォンバレン。全然違うじゃないか」
「それは…………そうだったっけ?」
言葉ではそう返しているが、内心では自分で言っておいて確かにそうだよな、と納得するという、行動が矛盾している状況。なぜこんなことになったのか、エース自身にも分からない。
「幼い頃からの付き合いである君って親友の誕生日を簡単に忘れるほど物忘れひどかったっけ? 姓は普段使ってないからしょうがないかもしれないけどさ」
「うーん……いや、今日なんか変なんだよな。朝きちんと寝たはずなのに、さっき図書館で寝てて図書委員に起こされたしさ。おまけに見た夢は殺される夢だったけど」
「夢の内容は置いといて、それは君割といつものことじゃなかったっけ」
「……だっけ? まぁなんにせよ、気を付けないとダメだなー」
確かに居眠りは割と日常茶飯事だった気がしなくもない。
だがそれとは別に、エースは今自分が夢を見ているわけではないのに記憶があいまいになるこの状況に違和感を感じていた。何かしらの病気か、もしくは疲労の蓄積によるものなのか。原因は分からないが。
「んで、結局何しに来たんだっけ」
「分かんないとこ教えてくれ、って奴」
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