Knight's & Magic & Carrier 6
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度を変える必要はない。仰角を下げるだけで上空から滅多打ちが出来る。爆雷なんかがあればなお良かった。更には高度を下げたためにザメルからのダインスレイブを防御して魔力を減らし、高度を上げようとするのをアームストロングで牽制しながら高度を下げさせる。このままなら無様な死が待っている。だから、追い詰められる前に強引に反転してこっちに向かって突撃してきた。
「まあ、最初からその気だから問題ないんだよな」
使い捨てのブースターと自爆術式を起動させて飛竜艦に突っ込む。誰にも話していないが、ぶつけて食い込むまでオレは脱出できない。話せば絶対に止められると分かっていたから自爆術式も全て一人で組んである。ここで死ねば、オレはそれまでだったというだけだ。
オレは絶対に飛竜感を認める訳にはいかない。あんな邪道を艦だと思われたくない。艦っていうのは、色々な形があっていいと思っている。機能最優先に突き進んでも良い。有り合わせの拙い技術で作っても良い。生物的であるのはそれはそれで美しい。邪道からは新たな天啓を得ることも出来る。だが、飛空艦が生まれたばかりのこの時期に飛竜艦という邪道を許してはならない。
これから育つ飛空船が邪道の所為で拡張性を失ってしまう可能性が高い。技術というのは軍事から民生へと流れていく。飛空船の登場は大航空時代の始まりを告げる。だが、飛竜艦は民生には流れない。流せるような仕様になっていない。単艦で突っ込んで暴れる。それだけなのだ。民に、特に商人に戦うためだけのものだと思われては駄目なのだ。だから潰す。
回避しようと回頭を始めていた飛竜艦の土手っ腹にムスペルヘイムの艦首が突き刺さり、フレームが歪んで砕けていく音が響く。だが、操縦席を外したのか引き剥がそうと動き出す。ロケットアンカーを射出して飛竜艦に逃げられないように巻き付ければ、それを外そうと砲座兼魔力タンクの幻晶騎士が動き出す。
それを止めるために操舵輪を手放し、飛び出す。
「ネオ超電導キック!!」
ドロップキックと同時に風系統の魔術でバランスを崩させる。それだけで、後は転がり、落下する。飛竜艦の上だから出来る芸当だ。スパークビームを模した雷弾を周囲の幻晶騎士の装甲の隙間に叩き込み操縦系統を焼き切る。そろそろ逃げ出そうとしたところで飛竜艦の首元が開き、騎操士が姿を現す。
「貴様!!なぜ我らの邪魔をする」
一瞬、何を言われたのか理解できなかった。
「我らは崇高なる大義の元に」
「あ〜、はいはい、すごいですね。かっこいいよ。で、綺麗なお題目を掲げて盗みを働いて騙し討ち、不利になればこうやって馬鹿を晒す。アホらしい。敵は潰す。それだけだろうが。そんな事も知らずに戦場に立つんじゃねえ!!」
放って置いても問題ないが、せめてもの情けだ。オレの手で討
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