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SAO−銀ノ月−
「自分で行きます」
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か? どうにかして、これまでと同じ暮らしをさ!」

 分かっていたんだ、と耐えるしかないショウキの気持ちを代弁するかのように、ガーネットがキリトに対してくってかかる。とはいえ彼女も分からないなりに、運営から討伐対象になったという状況が、どういうことか分からないわけもない。それでも彼女の友達として、言ってやらざるをえなかったことに、キリトも小さく頷いた。

「今は無理だ。だけど、いつかは……」

「……どういうことだ、ですか?」

「プレミアが他の世界に行けるようにするんだ」

 そうしてキリトにいわく。他の世界にコンバート出来るというザ・シードの特性を利用し、ザ・シードのクラウド上にリズが作った空の女性用のアカウントを使って、プレミアをほとぼりが冷めるまでこの《ALO》から遠ざけるということだった。確かにそれが成功するならば、プレミアはザ・シード規格の世界を自在に動き回れる存在となるのだろう。

「人族の叡知のことはよく分からない。キリト、我々のするべきことだけを教えて欲しい」

「この《はじまりの町》の地下にコンソール……プレミアを他の世界に送る石板がある。そこまでプレミアとユイを連れていくんだ」

「なるほど。単純で分かりやすい」

 ただしコンバート出来るのはプレイヤーのみであり、リズが空のアカウントを用意したからといって、プレミアにその権利はない。そこはこの《はじまりの町》の地下にあるコンソールで、ユイやキリトが何とかしてくれるようなので、ショウキも二人のエルフと同様の認識で臨むこととする。

「パパ。わたしの時と同じことをするなら、ショウキさんかリズさんの《アミュスフィア》を保存先とすればいいのでは?」

「それも考えてたんだが……プレミアの容量は、とても《アミュスフィア》には保存できない」

「地下はどうなってるんダ?」

「狭い地下水道ダンジョンだ。グウェンとルクスがマッピングしてくれた」

「はい、これ」

 《はじまりの町》の地下にあるコンソールを使って、プレミアが他の世界に行ける状態とする。作戦は以上、シンプルなもので、残る疑問点がキリトにぶつけられる。リズが預かっていた地下の地図はアルゴに渡され、狭く1パーティほどしか入れない小さなダンジョンだったが、渡されたアルゴは小さく呟いた。

「……独特な地図だナ」

「あ、あとグウェンから伝言ね。『あの鼠ババアならこの地図で大丈夫でしょ?』って」

「ァァ!?」

「……町にはどうやって入るんだ?」

 独特というか、癖のあるというか、センスがあるというか。とにかく地図とグウェンとアルゴの話はともかくとして、ショウキもまた疑問点をキリトへとぶつけていた。地下水道への入口はあの《黒鉄宮》にあり、今のプレミアの状況では
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