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人理を守れ、エミヤさん!
約束された修羅場の士郎くん! 3
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か受け取ってほしい」
「……わかった。これで終わりじゃないのなら、セイバーともこれが最後というわけでもないだろう。……また会おう。今度は肩を並べるために」

 黒い騎士王は、ただ微笑んで、消えていった。
 キャスターが嘆息する。その体は、セイバーに続いて消えかけている。
 聖杯戦争が終わったのだ。ならば、後は消え去るのみ。

「やれやれ大事の気配だな。ま、いいさね。お前さんなら上手くやるだろう。もしオレを喚ぶようなことがあんなら、そん時ゃランサーで呼べよ」
「……ああ。是非、そうさせてもらう。ついでだ、心臓を突かれた時の恨み、晴らさせて貰うかな」

 は? と疑問符を浮かべたキャスターの髪を数本引き抜き、投影した魔力殺し(マルティーン)の聖骸布で包む。これで、キャスターが消えても髪の毛だけは保存できるだろう。
 それをキャスターは微妙そうに見て、仕方無さそうに苦笑した。

「……ったく、こき使う気満々じゃねえか。貧乏くじばっかだねぇ、俺も。……じゃあな、小僧(・・)。次は仮契約じゃねえ。お前の槍として戦ってやる」

 そう言ってひらりと手を振り、キャスターもまたあっさりと消えていった。

 俺は思わず体から力を抜いて、その場に座り込みそうになる。
 だが、今座れば立ち上がるのに相当の時間を要する気がして、なんとか立ったまま天を仰ぐ。

 ……マシュを起こそう。

 特異点を作り出していた原因とおぼしき聖杯を手にいれたのだ。じきに、この特異点は修復され、定礎も復元されて何もかもがなかったことになる。
 カルデアからの連絡もまだだが、そろそろ来るだろう。後は事態の推移をロマニに説明するだけだ。

 と――その時。

 マシュに歩みより、体を揺すって起こそうとする俺の背中に、ここにはいないはずの男の声が掛けられた。

「やあ、衛宮士郎」
「……レフ・ライノールか」 

 振り返ると。そこには人外の気配を放つ男の姿があって。
 俺は、うんざりしたように溜め息を吐いた。









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