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人理を守れ、エミヤさん!
約束された修羅場の士郎くん! 2
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い顔だ。容姿と能力こそあのいけ好かない弓兵だが、中身はまるで違うらしい。
 ともするとあの弓兵の生前の人物なのかとも思っていたが、今キャスターの中で弓兵と目の前の男は完全に乖離した。自然キャスターの顔にも笑みが浮かぶ。

「……いいな、アンタ。一時の関係とはいえ、共闘相手としちゃ申し分無い。この一戦に限るだろうが、よろしく頼むぜ、色男」
「は。細君に師、女神に女王、おまけに妖精とまで関係を持った伝説のプレイボーイにそう言われると、なんとも面映ゆい気分だ。……こちらこそ宜しく頼む。主従ともに未熟者だ、ドルイドの導きに期待する」
「言うねえ。ああ、男のマスターとしちゃ理想的だ。気の強いイイ女ってのが女のマスターの条件だが、男のマスターってのは不敵で、戦に際しちゃ軽いぐらいがちょうどいい。肩を並べるに値する(つわもの)なら更に言うことなしだ」

 まさかのべた褒めに士郎は面食らったが、マシュは自分のマスターを誉められて悪い気はしないらしい。一気に機嫌を良くして、キャスターをいい人認定したようだ。

「キャスターさん、わたしも宜しくお願いします。歴戦のサーヴァントの立ち回り、参考にさせていただきますね」
「おう。こっちもよろしくな、盾の嬢ちゃん。見てたぜ、あの聖剣を防ぎきるとは大したもんだ。俺の方こそ当てにさせてもらう」

 にやりと笑うキャスターだが、実際その力が対魔力を持つセイバーに通じるものか疑問がある。が、彼はアイルランドの光の御子。勝算もなく出てくるとも思えない。何か切り札があるはずだ。

 ――騎士王は黙ってそのやり取りを見つめていた。

 それは騎士道精神から来る静観ではない。盾の娘はともかくとして、キャスターも士郎も、こちらが動く素振りを見せれば即座に対応できるように警戒を怠っていなかっただけのことだ。
 彼女は、自身に対魔力があるとはいえ、決してキャスターを侮ってはいなかった。純粋な魔術師の英霊ならば戦の勘も薄く、恐れるに足りないが、クー・フーリンとは歴戦の勇士。槍兵として最高位に位置し、個人の武勇で言えば間違いなくアーサー王を上回る大英雄だ。
 生涯を戦いだけに生きた生粋の戦士と、戦いだけに生きるわけにはいかなかった王とでは、どうしたって差が出るものである。今のクー・フーリンは魔術師だが、その戦闘勘が鈍っているわけではない。鈍っていれば己の聖剣の一撃を凌ぎ、他全てのサーヴァントに追われながらここまで生き延びられるわけがないのだ。

「……キャスター。ランサーやアサシン、ライダーはどうした。貴公の追撃に出していたはずだが」
「ああ、奴等なら燃やし尽くしたぜ」

 問うと、キャスターはあっさりと言い放った。
 それはつまり、単独で、マスターもなく、潤沢な魔力供給のあったアサシンらを始末したということ
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