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人理を守れ、エミヤさん!
約束された修羅場の士郎くん!
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でも言うような死体に鞭打つ非道。さしものマシュも面くらい、何をしているのかと問い掛けようとして……緊迫した士郎の顔がそれを許さなかった。

 射掛けられた剣弾が次々と着弾、爆発を繰り返し、土煙が巻き起こる。それを目を細くして眺め、残心していた士郎だったが、ややあってぽつりと呟いた。

「……流石」

 顔に表情はない。しかし短い賞賛の言葉が嬉しげなものに聞こえたのはなぜなのか。

 え? とマシュは呆気に取られた。竜巻の如き魔力放出が場を席巻する。予想だにしない事態にマシュは泡をくって動揺しそうになった。
 黒い風によって土煙が吹き飛ばされる。同時、士郎が叫んだ。

「マシュ、カバーだ!」

 反射的にマシュは士郎の元に馳せる。だが、遅かった。
 マシュを追い抜き、黒い砲弾が士郎に襲いかかる。

「マスター!」

 少女が悲鳴のような声をあげた。士郎は事前に干将と莫耶を投影し、腰に帯びていたお陰で、なんとか反応することに成功する。
 黒い聖剣による振り下ろし。弓を捨てながら双剣で受け、流して後退。凄まじい剣撃に膝をつきそうになりながらも、ほぼその威力を地面に逃がすことに成功した。地面が陥没し弾け飛ぶように下がった士郎に、更に深く踏み込んできた騎士王が聖剣を振るった。

 二撃、三撃、四撃と受け流しながら後退するも、双剣が砕けた瞬間に次の投影をさせじと、足元で魔力をジェット噴射し、息を吐く間も与えず斬りかかる。
 果たしてマシュは間に合わなかった。武器を無くした士郎は両手を空のまま、首に突きつけられた聖剣を前に膝をつく。

「……」

 二人の目が合い、一瞬見つめ合う。様々な感慨が胸中に過り、まず口を開いたのは漆黒の騎士王だった。

「……強くなりましたね、シロウ」
「……敵を前にお喋りか。余裕だな」
「ええ。それほどに、彼我の戦力はかけ離れている。惜しいところでしたが、今回は私が上回った。それだけのことです」

 言った騎士王の左腕は折れている。黒い甲冑もほとんどが破損し、全身無事な箇所の方が少ない有り様だった。
 それでも、なお騎士王は士郎を上回っている。否、片手でも全力の士郎を捩じ伏せられるだろう。

「貴方の容貌がアーチャーと同じものになっていたことには驚きました。しかし、一目で貴方だと私にはわかった」
「……」
「貴方も、そうであるはずだ」
「……どうかな」

 呟き、士郎はちら、とマシュを一瞥した。こっちに来るな、と視線で制する。

「だが私以外の者をサーヴァントにするとは、捨て置けることではありません。しかもよりにもよって彼の英霊の力を持ったサーヴァントとは……」
「……お陰さまで、相性はいいようだがな」
「そうでしょう。穢れのない高潔な彼と、穢れをよしとしな
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