第五章
[8]前話
日毬は振り向くと右手に持った兼光で科学者の首を横に断ち切った、その時に科学者の汚れた魂さえも断ち切った。
そうしてだ、こう言った。
「奥義魂魄斬りだ、貴様は確実に地獄に落ちた」
「身体だけでなく魂もですか」
「そうだ、断ち切るのが今の技だ」
日毬は千歳に答えた。
「この外道は今すぐにここで成敗すべきと思いだ」
「その技を使われたのですね」
「そうした、ではだ」
「はい、この娘をですね」
「連れて外に出てだ」
日毬は今は気を失い倒れている少女を見つつ千歳に答えた、もう姿は異形のドラゴンからンヤダクに戻ろうとしている。
「ここのことを地元の軍や警察に通報してな」
「この娘にもですね」
「然るべき処置をしよう」
「それでは」
二人は日毬の言葉通り今は気を失っている少女担いでそのうえで少女を連れて科学者の隠れ家から出ると。
ケレマの役所に山のことを冒険者として話してだ、軍と警察を送ってもらった。そのうえで然るべき処置が太平洋政府として行われることになった。
少女はまずは確かな手術を受けそのうえで孤児院にハンナ=アバルという名前を与えられてそこで育てられることになった、もう異形の者ではなく人として暮らせる様になった。
こうしてこの事件は終わり日毬と千歳はケレマを後にしようと港に出たが。
ここでだ、日毬の手にだった。
鉢巻が手に入った、その鉢巻きはというと。
「ふむ、赤穂浪士の鉢巻きか」
「あの討ち入りの時に使っていた」
「それがだ」
まさにというのだ。
「今私に神具として授けられた」
「そうなのですか」
「これはあらゆる精神攻撃を防いでくれる」
「そうした神具ですか」
「私は既に三本の刀を持っている」
武器としてだ。
「そこにこの神具が備わった」
「守りも得ましたね」
「そうなった、そしてだ」
日毬は今も自分の左肩にいる千歳に話した。
「試練を経てな」
「強くなられましたね」
「そうなった」
こう千歳に話した。
「それを今実感している」
「それではですね」
「次の場所に向かおう」
「そしてそのうえで」
「我々の為すべきことをしよう」
こう言ってだった、日毬は千歳と共に次の場所に向かう船に乗った。そうして試練があった南国の地を後にした。
邪悪を断ち切るもの 完
2019・1・21
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ