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干支の巫女
制御困難の火竜編
004話 力の制御と干支の巫女とは
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して来ていた。
だけど、自然と大丈夫だって思った。

「ルカ!!」
「大丈夫だよ、リューグ…私は平気だから」

確信とともに、私の目の前まで来た炎の竜はまるで掻き消えるように私のかざした手の中に入っていった。
そして私の中に何かの力が宿ったのを感じられた。
でも、そこで私の意識は薄れていった…。

「ルカ……」

リューグは気絶してしまったルカを抱えながらも思案をしていた。
先ほど、ルカはリューグの炎の源である炎竜を己の中に吸収してしまった。
だが、そのすぐ後にルカの体を通じて再びリューグの中へと戻っていったのだ。
そしてリューグはある意味悟りを得た。
力が制御できているという事に…。

「ルカ…君はやはり…『干支の巫女』なのか…?」

リューグのそんな呟きは気絶しているルカには聞かれる事はなかった。



…………ん?
あれ? なんで私は寝ているんだっけ?
なにかさっきまで頭がやけにクリアになっていたみたいな感覚だったけど…うーん、分からない。

「起きたか、ルカ…」
「はれ…? りゅーぐ…?」

気づけば私を見下ろすようにリューグの顔があった。なぜか頭を撫でられている。
え? これ、どういう状況?
もしかして私は今、リューグに膝枕をされていたりしたり…?

「あ、あのリューグ!」
「ああ、今は動くな。ルカは力を消耗してしまっているからな」
「力の消耗…?」

そういえば、なんか少し体がだるいような…。
これってどういう事…?

「リューグ、私…なにかやっちゃったの?」
「覚えていないのか。では無自覚であれをしたって事なのか」

わー、私なにをしちゃったんだろ?もしかしてリューグの訓練の邪魔をしちゃったのかな。
思い出そうとしてもどうにも記憶に靄がかかっているみたいで思い出せない。
これはリューグに聞いた方が早いのかな。

「リューグ。なにがあったか教えてくれないかな」
「ああ、いいだろう。多分だが今後もルカはこのような状態になることが増えると思うからな」
「このけだるいような感覚に?」
「うむ。と、その前にまだルカには話していないことがあったな」
「話していない事…?」
「ああ。この洞窟での力の制御は聖なる力を引き継ぐ過程で受け取ったためにまだ制御できていなかったんだが…その引き継いだ力というのがスピリチア大陸を守る十二支の家系の事なんだ」
「十二支? それって…もしかして子から始まって亥で終わる十二匹の動物の事?」
「そうだ。ルカの世界にも十二支の話が伝わっているなら好都合だな。その十二支の中で俺は【辰】の力を引き継いでいるんだ」
「辰…あ、だからリューグは竜の姿になれるんだね」
「正解だ。ルカは理解が早くて助かるよ」

十二支かぁ…
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