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干支の巫女
制御困難の火竜編
003話 お互いの事情説明
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目の前に出される焼き魚。
ホクホクとしていてとても美味しそう。
リューグが私のために近くにあるという川辺で魚を捕ってきてくれたのだ。
さらにはなんの力を使ったのか目の前で手から炎を出して魚を焼きだしたのには驚きを禁じ得なかった。

「あ、あの! リューグさん! その炎ってどうやって…」
「どうやって、か…どうやらルカは『魔気』を知らないみたいだな」
「その、魔気って…?」
「その説明も必要そうだな。なに、時間はいっぱいあるからまずはその魚を食べてからルカの今後をどうするか決めようじゃないか。お腹、空いてるんだろう…?」
「うっ…」

それを言われると弱い。
それに先ほどから何度もお腹が鳴ってしまっていたために恥ずかしくて死にたい。
それでいつまでもこちらを優しい目で見てきているリューグさんの視線を視界に入れないように焼き魚にかぶりつく。あ、美味しい…。
それからお腹が相当空いていたのか5匹くらい食べてしまった。

「相当お腹が空いていたんだな…」
「申し訳ありません。ただ、ちょっと色々と事情がありまして…」
「ふむ、そうか。それじゃそろそろ話し合いと行こうじゃないか」
「そうですね、リューグさん」
「ああ、それと呼び方はリューグでいい。いちいち気を使っていたら疲れるだろう?」
「え? でも、知り合ってそんなに時間も経っていないんですけど…いいんですか?」
「ああ。ついでにルカの話しやすい口調でも構わん」
「そ、そうですか…えっと、それじゃりゅ、リューグ…お話をしよっか」
「うむ」

それからリューグにこの世界について教えてもらった。
まず、この世界の名前は『フォースピア』。
そしてこの世界には大まかには五つの大陸がある。
東国の、おもに人族が統治をしていて、武装国家がおもに暮らしている戦国大陸『シンラ』。
西国の、おもに人族とエルフ族、そしてドワーフ族が統治していて、魔導の力によって栄えている魔導大陸『リクシード』。
南国の、おもに人族と獣人族が共存して暮らしていて、実りの豊かな豊饒な大地で各々暮らしの格差はあれど自由に暮らしている自由大陸『ファルクス』。
北国の、おもに魔の力を引き継いでいる吸血種や巨人族、その他にも危険生物が数多く暮らしていて、さらには閉鎖的でどういう暮らしをしているのか分からない極寒大陸『アブゾート』
そして現在私がいるこの土地は世界の中心にあって、主に精霊族や妖精族…私たちの世界でいう幻想の生物が多く住むと言われる神秘溢れる大陸『スピリチア』。

「東のシンラ…西のリクシード…南のファルクス…北のアブゾート…そしてこれら四つの大陸の中心にある中心大陸のスピリチア…」
「ああ。まぁ大まかに覚えておいてくれ。そんなに行き来や往復はしないだろうしな」
「そういうものな
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