序章
001話 始まり
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生徒は誰もいなくなっていませんが、いつどこで誰が被害にあっていなくなるかわかりません。
教育委員会でも対策を講じているところですので、みんなも夜に一人で出歩く際は十分に注意して行動してね。私からは以上」
ホームルームはその後はいつも通りに終わったけど、だけど学園中がその話題で持ち切りみたいで帰りには教師の見回りもするそうで放課後の部活は当分は中止になった。
別にそれで残念がることもないんだけど、注意しないとね。
「それではルカさん。道中お気を付けくださいね」
「うん。クリスもまた明日ね!」
「はい」
クリスと別れて家への帰路に就く。
ちなみに鈴架は友達と先に帰ると言っていたのでたまにある一人っきりだ。
寂しいというわけじゃないけど、今朝のお母さんの話を思い出して気持ちが心細くなるのは隠しきれない。
そんな、感傷的な事を思っている時だった。
「ッ!?」
なに!? 突然背筋が凍りつくような、鳥肌が盛大に立つみたいな感覚に襲われた。
ゆっくりと震える体でなんとか周りを見回す。
そして一周して何も異変はないことを確認してため息を吐こうとして、
「ッッ!!?」
またしても心臓が握られるような恐怖を味わう。
ビルの隙間に忽然と全身黒い布を着ていて顔が窺い知れない。
まるでその姿は今朝に見た夢の人物のような……。
そしてあろうことか顔は見えないのに視線が合ってしまったという直観を感じて、私はすぐにその場を走り出した。
…………そして、何度か背後を見るがアレは私の後を追ってきている!
「ううっ! あれって、もしかしてー!」
まるで夢の通りではないか。
逃げる先々でとうせんぼするアレ。
何度も進路を変えてもうどこを走っているのか分からなくなって、ついに雑居ビルの隙間にまで追い込まれてしまった。
…逃げ道は、ない。
背後を振り向けばアレは一生懸命走ってきた私がバカなんじゃないかってくらいに息切れすらしていなくて、ついにあの言葉をうわ言のように口にしだした。
『……干支……巫女……』
「……!」
この後の展開が夢の通りなら私はアレに襲われてしまう。
人間、非常事態に追い込まれると逆に冷静になれるというもの。
私はどうにかこの場を脱する事を考えようとする。
だけど、どう思案してもいい考えは浮かばない。
『干支の、巫女……』
まるで某呪いのビデオの幽霊みたいに近づいてくるアレ。
もう、お終い、なの…?
諦めかけた時だった。
突然私の下の地面が謎の発光現象が発生して、まるで円状になにかが描かれていく。
だけど、それでアレはなにかを感じたのか先ほどまでの冷静さなどなりふり構わずに私にその長い手から来る腕の振り下ろしをしてきた。
だけど何かが遅かったのか、円状の
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