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干支の巫女
序章
001話 始まり
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事って、なんだろう……?

「お姉ちゃん! 遅れちゃうよー!」
「あ、うん!」

気になったけど部活の朝練に遅れるのもまずいので私達はそこから立ち去った。
その後にバレー部の朝練も手短に終えて鈴架とも別れて教室に向かう。
教室に到着すれば最初に私を出迎えてくれるのはいつもと変わらずに、

「あら。ルカさん、おはようございます」
「おはよう、クリス」

挨拶を交わしてお互いに笑みを浮かべる。
この子はクリス。本名は『クリスティーヌ・セインティ』。
名前からして外国人でクリスチャンだ。
銀色の髪も相まってふわふわとした不思議な印象を持つ子なんだよね。
うちの学園はキリスト教も取り入れているので、まぁこの子もそこ関連の出身かな?
それはともかくこの子は私の大の仲良しな子なんだ。
だからいつも大抵は一緒にいる感じかな?
さっき言った生徒会に在籍しているのもクリスの事であったりする。

「あ、ルカさん少しじっとしていてください」
「ん? どうしたの?」
「いえ、少しネクタイが曲がっていますわ。直しますのでじっとしていてくださいね」
「う、うん……」

クリスは甲斐甲斐しくも私のネクタイを直してくれた。
こういうところがあるからあまり頭が上がらないんだよね。

「はい。直りましたわ」
「ありがとね」
「いえ、ルカさんの為ですから気にしないでくださいね。うふふー」
「う、うん……」

なんだろう? どこか変な空気になるのは。
それに周りからの視線もどことなく好奇な視線を感じる……ような?気のせいよね、うん。


ルカはまだ知らない……。ルカとクリスの二人は百合の視線で見られている事など。


私は何やら身震いをしながらも席に着く。
それと同時に予鈴のチャイムが鳴る。
それで教室に急いで駆け込んでくる生徒が多くなる中で、お母さんが朝のホームルームをするために教室に入ってきた。

「はい。みんないるわね?」
「起立、礼!」

委員長の号令とともに私達は挨拶をして席に着席する。
その後にお母さんが欠席者はいないかと確認を取って、私たち全員を見渡すように視線を巡らせた後に、

「それじゃホームルームを始めたいと思います。まずは皆さんに伝えたいことがあります」

お母さんがそう切り出してなんだろう?という感じのざわめきが起こる。
私も気になったので耳を澄ませる。

「みんなももう知っていると思うけど、最近隣町やその近辺で住人が何人も失踪するという事件が起きています。……それで実は一昨日と昨日についにこの町でも人がいなくなるという事案が発生しました」

それでより一層ざわめきが大きくなる。
そっか……。とうとうこの町でも起きちゃったんだね。

「幸いまだこの学園の
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