突撃、隣の士郎くん!
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ない、盾の英霊には悪いが、力業で力を引き出させてもらう。
「マシュ。令呪で補助する、宝具を解放しろ」
「そんな……!? わたし、力を貸してくれてる英霊の真名を知りません! 使い方もわからないのにどうするんですか先輩!?」
「その身はサーヴァントだ、令呪を使えば体が勝手に真名解放するべく動作する。本人の意思にかかわりなくだ。そうすれば、真名を唱えられなくても擬似的に宝具を発動できる。故に大事なのは心の持ち様、マシュが持つ意思の力が鍵になる!」
「わたしの、意思……?」
「イメージしろ。常に想像するのは最強の自分だ。外敵などいらない、お前にとって問いかけるべきは自分自身の内面に他ならない」
「わたしの内面……」
呟き、マシュは素直に受け入れ、目を伏せて自分に何かを問いかけた。
数瞬の間。顔をあげたマシュの目に、強い意思の光が点る。
「……わたしは……守る者です。わたしが……先輩を、守ります!」
発露したのは黄金の意思。守護の決意。体が動作するのなら、後は心の問題――だったら、本能に身を任せよう。
その輝きに、俺は目を見開いた。
あまりにまっすぐで、穢れのない尊い光。
薄汚れた俺には持ち得ない、本物の煌めきだった。
――賭けよう。マシュに、全てを。
この意思を汚してはならない、自然とそう思った。そして、マシュに令呪の強制力は無粋だと感じた。
自分のサーヴァントを信じられずして何がマスターか。俺は決めた。令呪を使わないことを。
ただ、言葉にするだけだ。不出来な大人が、少女の立ち上がる姿を応援するだけ。後押しだけが出来ることだと弁える。
「……デミ・サーヴァント、マシュ・キリエライトに命じる。宝具を発動し、敵の攻撃を防げ!」
「了解――真名、偽装登録――」
岩から削り出したような漆黒の大盾、それを地面に突き立てて、マシュは力を込めて唱えた。同時に俺も宝具の投影を終え、弓につがえる。
「いけます! 宝具、展開!」
――飛来せしは螺旋の剣。虹の剣光を纏う穿ちの一閃。
赤い弓兵、渾身の一射だった。ランクにしてA、上級宝具の一撃。ギリシャ神話最強の大英雄をも屠りえる脅威の具現。それを、奴は自身のセオリーに従い、こちらを有効範囲に捉えるのと同時に自壊させた。
壊れた幻想――投影宝具の内包する神秘、魔力を暴発させ、爆弾とするもの。唯一無二の宝具をそのように躊躇いなく扱えるのは衛宮士郎のような異能者だけだろう。
それを迎え撃つのは無名の盾。煌めく燐光が固まり守護障壁となって一組の主従を包み込む。
螺旋の剣の直撃に、マシュが呻いた。苦しげに声を漏らし、耐え凌いでいる最中に螺旋剣が爆発する。瞬間的に跳ね上がった威力に意表を突か
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