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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百十八話 エル・ファシル星域会戦リターンズです!!!
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『30分じゃと?まるで今が昼のランチの時間とでも言いたそうじゃな。』

 ビュコック大将の皮肉はヤンを打ったが、ここで動じるヤンではない。ここであれこれ言っても無駄なのだ。結果を見せるしかない。

「30分たって戦局が好転しなければ、一度撤退をします。それで、よろしいですか?」

 両提督は一瞬顔を見合わせた。ディスプレイの上とはいえ、あたかも両人が互いの姿を実際に認識しているかのように。

『よかろう。30分間は戦って見せる。だが、それで戦局が好転しなければ余計な犠牲を出すだけだ。いったん撤退をさせてもらう。よいかな?』

 ヤンの返事を待たずに通信は切れた。

「やれやれ。」

 ヤンは頭を掻いたが、すぐに顔を引き締めると、本隊に通達した。

「右翼前方、仰角+12度より艦隊接近。プランB−1フォーメーションCを展開せよ。」

 フィッシャー少将の指揮の下、艦隊はすぐに運動を開始した。

* * * * *
「おい、シャルロッテ、エミーリア。」

 ケーテ・ウィントハルトが中央を進む僚友を呼び出した。

「何?」
「どしたの?」
「見ろ、敵が散開した。我々の進路を開けるようにな。これでは有効打撃を与えられない。進路を変更し、敵の中枢を突っ切るようにはできないか?」
「あんたそれマジで言ってんの?」

 シャルロッテ・ブリューゲルがケーテをまじまじとディスプレイ越しに見る。

「へ〜でも面白そうじゃん。せっかくカチコミにきても敵にすり抜けられるんじゃ意味ないし。」
「ちょっと二人とも何言ってるの?!駄目!絶対ダメ!エリーセル様は『止まるな』とおっしゃられたのよ。」

 エミーリア・クラルヴァインが他の二人を注意した。

「・・・・てのは冗談よ。駄目、アタシもエミーリアと同意見。そんなことしてみなさいよ、包囲されて、フクロにされて、それで終わり。アタシはそんなのごめんだからね。」
「もうシャルロッテったら、やきもきさせないでよ。」

 エミーリアはため息を吐いた。

「チッ!」

 ケーテは舌打ちしたが、それでも主張をすることはなかった。

「まぁいい。お前たちの意見はもっともだ。仕方がない。わかったよ。」

 ケーテはディスプレイ上の二人に背を向けた。それはすなわち自軍の進軍方向、敵方面だった。

「私の艦隊が道を開く。一度も止まらずに規定航路を突っ切ることにしよう。遅れるなよ。」
『もちろん!!』
「全艦隊最大戦速!!!続け!!!」

 艦隊はヤン艦隊の陣形には全く考慮することなく、ただひたすらに航路を順守して突入していった。それもすさまじい速度で。

* * * * *
「フィオ、見てみなさいよ。ちゃんとあの子たちは命令順守をするらしいわ
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