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英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
第78話
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「ハッ!?その手があったわね…………しかも、”黄金の戦王”と違って確か側妃はまだ一人もいなかったわよね…………」

「ア、アンちゃん!?それにサラ教官も本気にしないでください!」

「いやいやいやいや!?ランドロス教官まであの女好きエロ皇帝みたいな人になるように仕向けないでくださいよ!?」

「というか何故そこで俺を引き合いに出すのですか…………」
アンゼリカの指摘を受けると再び真剣な表情で考え込んで小声で呟き、それを見たトワとユウナは慌てた様子で指摘し、リィンは疲れた表情で指摘し、その様子を見たセレーネ達は冷や汗をかいた。


「”紫電”のバレスタイン…………以前より高名は伺っています。」

「ふふ、あたしもヴァンダールの方々には何度かお世話になっているわ。―――うーん、それにしてもアンタがZ君に入ったなんてねぇ。その制服、結構似合ってるじゃない?」

「…………どうも。」
クルトの賛辞に苦笑しながら答えたサラに視線を向けられたアルティナは静かな表情で会釈した。
「で、ラクウェル一の悪童まで第U分校入りしてるなんてね。どういう風の吹き回しかしら?」

「ハッ、俺の勝手だろうが。ま、潰れかけのギルドに入るよりはマシだったからじゃねえか?」

「って、アンタねぇ…………」
ジト目のサラの問いかけに対して皮肉で返したアッシュをユウナは呆れた表情で見つめた。
「あはは、まあホントの事だしね。」

「…………でも、本当に驚きました。」

「二人がフォートガード州に来たのは偶然だったんですよね?」

「うん、私はちょうど先日、大陸一周から帰国したばかりでね。父上に連絡を取って話をするうちに領邦会議への出席を頼まれたのさ。」

「あたしはギルド方面の情報でエレボニア内の猟兵団を追ってたんだけど…………フォートガードとエレボニア側のクロイツェンでそれぞれ、怪しげな動きを察知してね。で、追いかけて調べてる時にこの娘とちょうど出くわしたわけ。フフ、第Uが来てるのは知ってたけどあんなタイミングに遭遇するなんてね。」

「ええ………本当に助かりました。しかし、これで状況はますますわからなくなりましたね。」

「そうだね、対立する猟兵団同士が何のために戦っているのか…………”結社”が本当に関わっているのかもまだわかっていないし。」

「ふむ、領邦会議についてもどう回るかわからないみたいだね。フォートガードとラクウェル…………どちらにも気を配る必要がありそうだ。」

「うーん、明日の特務活動もさらに忙しくなりそうな気が…………」

「だが、ここが僕達の踏ん張りどころでもあるだろう。」

「ええ………ミリアムさんに負けるつもりはありませんし。」


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