第三章
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「貴方が苦しんでおられるのは事実です」
「それはわかるよな」
「その呪いと貴方のことを調べましょう」
「そうしてかよ」
「ことにあたります」
これが神託の仕事なのだとだ、雅は内心確信していたがそのことは隠して鈴子と共に早速男のことを彼から聞いたり彼が食っていた店の食堂の店長や客達に聞いた。そして呪いは雅の神具の力を狩りって教わったが。
二人は男、ヒュー=グアン=ホーに呆れた顔で言った。二人でテーブルに座って向かい側にいる彼にだ。
「あのですね」
「貴方最低な人ですね」
「確かに犯罪は行っていませんが」
「お金に食べものに女性に汚く」
「質の悪いものを観光客に高く売ったり」
「平気で嘘を吐くなぞ」
「悪いのかよ」
男は悪びれず二人に返した。
「犯罪はしてねえだろ」
「それでもです」
雅は男をこれ以上はないまでに蔑む目で見つつ述べた。
「貴方の行いはです」
「最低だっていうんだな」
「あくどく儲け過ぎです」
犯罪は犯していないがというのだ。
「セクハラ三昧ですし」
「触ったり言い寄ったりして悪いのかよ」
「それだけでも問題です」
セクハラになるからだというのだ。
「全く、どうしようもないですね」
「それで俺があのゾンビの糞神父に呪いをかけられたこともかよ」
「まさに自業自得です」
またこう言うのだった。
「本当に、ですが」
「おう、何だよ」
「貴方の呪いは解いてあげましょう」
「そうしろ、金はこれだけだ」
男はこう言って小銭を少し出してきた。
「高いだろ」
「私達はお金にこだわるつもりはないですが」
それでもとだ、雅はさらに冷めた目になって男に言った。その温度は最早ドライアイスと言っていいまでだ。
「幾ら何でもです」
「これは冒険者への依頼の報酬ではないです」
鈴子の目もドライアイスになっていた。
「子供のお小遣いでもです」
「充分だろ」
「ふざけていません?」
「俺が金を出すんだぞ」
「だったらですか」
「雇ってる奴には最低賃金出すけれどな」
それでもという返事だった。
「正式な依頼でもないらだろ、いいだろ」
「ケチにも程がありますが」
「世の中金だ、金を大事にして何が悪い」
男は相変わらず悪びれない。
「だからこれだけでもいいだろ」
「呪い解きませんよ」
雅は男にこの言葉を突き付けた。
「それでもいいのですか」
「それは嫌ならかよ」
「せめて普通の額を出して下さい」
貰った金は使うつもりはないが礼儀を示せ、雅が言いたいことはそうしたことだった。
「いいな」
「仕方ねえな」
男もようやく普通の額の金を札束で出した。それで雅達も納得し彼に呪いがどういったものかを話した。
「貴方の呪いは嘘を吐くとかかります」
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