普通に死にかける士郎くん!
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声帯をやられたか。いや、一時的に声を発する機能が麻痺しているだけだ。時をおけばまた喋れるようになる、と自分を解析して診断する。
無言で瓦礫を撤去し、下半身の潰れたマシュを抱き上げて、炎に包まれかけていたこの場を去る。他に生存者を探し、事態の把握に努めねばならなかった。
マシュが何かを言っていたようだが、何を言っているのかまるで聞き取れない。死なせない、と口を動かして微笑みかけた。強がりだった。
結局、生存者を見つけることはできなかった。
カルデアスが、深紅に染まっている。
中央隔壁が閉鎖された。閉じ込められたか。遠く、微かに回復した聴力が、機械音声を聞き取った。
――システム、レイシフト、最終段階へと移行します。
――座標、西暦2004年、1月30日、日本。マスターは最終調整に入って下さい。
――観測スタッフに警告。
――カルデアスに変化が生じました。
――近未来100年に亘り、人類の痕跡は発見できません。
――人類の生存を保障できません。
――レイシフト要員規定に達していません。
――該当マスターを検索中。
――発見しました。
――番号2をマスターとして再登録します。
――レイシフト開始まで。
――3。
――2。
――1。
――全行程クリア。ファーストオーダー実証を開始します。
「――待て。生き残りは、俺たちだけなのか……?」
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