第四章
[8]前話
「ギルドの話は頂きましたが」
「それでもか」
「人が来ない、賊やモンスターの掃討は」
「モンゴルまで来てすることはないとか」
「思いまして」
それでというのだ。
「しませんでした」
「そうか、ではな」
「これからはですね」
「違うからだ、頼れ」
「それでは」
商人も頷いた、こうしてだった。
以後のモンゴルでの賊やモンスター退治の方針は滝沢が貝殻で自分の名前を出して話してそれでいくことになった。モンゴルの星の者にも手回しをしたうえで。
こうして話は終わった、だが。
宝箱を開けるとそこには。
「これは」
「凄い量の宝石ですね」
商人が開けたその中には多くの様々な宝石達があった。
「そうですね」
「これがか」
「高価なものか」
「実際にそうですね」
「この度の報酬です」
商人は二人に笑顔で話した。
「お受け取り下さい」
「そうしたことも入れてか」
「そのうえで護ってもらっていました」
宝箱、それをというのだ。
「では」
「これはだな」
「是非共」
「そうさせてもらう」
冒険者の依頼には報酬が必要だ、それが冒険者の世界の絶対の掟だ。だから滝沢達も受け取った。こうして話は終わり。
二人は次の場所に向かうことにした、ここでだった。
滝沢が身に着けていた鎧が変わった、その鎧は。
「赤糸威乃大鎧だ」
「九郎判官殿の鎧ですか」
「声が聞こえる、動きを素早くして護りもだ」
「かなりのものですか」
「武器にも衝撃にも術にもな」
そうしたものから護ってくれるというのだ。
「相当にな」
「そうですか、その鎧で身体を護り」
「これまで以上に戦える」
「そうだな、そしてだ」
「そしてですね」
「これまで以上に強くなった」
「そのこともですか」
「今実感している」
正宗にこのことも話した。
「神託の試練を達成してな」
「ではですね」
「次の場所に向かうか」
「そうしましょう」
二人でこう話してだった、そのうえでモンゴルを後にして次の目的地に向かった。彼等のやるべきことはまだあるので。
運び屋 完
2019・1・18
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