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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 ーそれぞれの愛情ー
赤翼の貴公子 ーその2ー
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を見て空は不思議そうに尋ねた。当の本人である箒は空と恋人……と何やらブツブツと呟いている。
「ねぇ大和君。箒ちゃんはどうして赤くなっているのかな?」
「知らねェ。熱でもあんじゃねェのかァ? っとお湯が沸いたな」
大和は茶葉の入ったカップに丁寧にお湯を注いでいく。それぞれのカップに砂糖を適量入れ、軽く掻き混ぜるとまたお湯を注ぐ。こういった最後まで1mmも雑のない丁寧な作業が学園一と称される料理の腕前に繋がっているのだ。
最後の紅茶を淹れ終わると、大和は傍らにあったストップウォッチを手に取る。
「ストップウォッチ…? どうする気なのそれ」
「まァ見てな」
そう言って大和はスイッチを押す。ストップウォッチのカウントが始まり丁度10秒後、部屋の扉が勢い良く開き、外に跳ねた癖のある青髮の少女が一目散に大和の淹れた紅茶の香りを楽しみ始めた。
「いい匂い……。流石はうちのエース君ね♪」
「かっきり10秒だァ会長。今日はどこで待機してた?」
「そろそろかなぁと思って近くまで来てたのよん♪」
「そォかい。今日で85回連続で10秒ジャストだぜ会長。最近お前が千里眼の持ち主だと疑い始めたよ」
そう言って大和は空を一瞥する。空はポカーンとした表情で二人のやり取りを眺めていた。そんな空と未だ赤い表情でソファーでブツブツと呟いている箒に気付いた青髮の少女がクルッとこちらを向いた。
「あら? 天田君と篠能力之さんじゃない。珍しいお客さんね」
「ど、どうも…」
「というか大和君、今日は女の子連れ込んでいないみたいね。今日は常闇さんかデュノアさん、もしくは他の子かと考えていたんだけど」
「社会的にオレを殺す気かお前。つーかその笑顔が今ばかりはウザいな」
キッと大和に睨まれた少女、IS学園生徒会会長の更識楯無は別段気にすることなく紅茶を一口啜る。
「ん、相変わらずの絶妙な甘さ加減。よくできました」
「へいへい。お褒めの言葉、光栄でございますよォ楯無会長」
お得意の憎まれ口を叩きながら、大和は自分の庶務席に座る。そして引き出しからノートを取り出すと黙々と自分の仕事をこなし始める。
「うーん。仕事熱心な後輩を持つとサボれーーー頼りになるわね」
横から大和の殺気を感じ取った楯無は言葉を選び直す。
「そォ言えば楯無ーーーじゃなかった会長。例の件、ちゃんと断ってきたんだろォなァ?」
「勿論ゴーサイン出したわよ?」
「なっ!? テメェまた勝手なことを……!!」
思わず手にしていたシャーペンを大和はボキッと折ってしまう。何のことかわからない空は恐る恐る楯無に尋ねる。
「れ、例の件とは……?」
「これよ」
そう言って楯無は空に小さな手帳
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