泡沫の島 4話「ユキ」
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皆の食事担当は私の仕事。
なんてーか、誰も料理やったことないらしい。だからって私に全部任せるって、ひどいと思いませんか?
まぁ別に気に入ってるからいいんですけど。萌えポイント上がるし。
けど私が今直面している問題はそんなことではなく。
「はぁ…。」
……サヤさんが溜息吐きながら私の料理を地面に捨ててるわけなのです。
何コレ?これが噂の嫁いびり?
あらユキさん?これが昼食でしたの?てっきり私、肥料かと思って床に蒔いてしまいましたわ。おほほほほ。
…そして健気に作り直す私。サヤさんは一口食べるが、まずいと言って流しに私の料理を捨てていく。
……面白い。
あ、でも止めなきゃ。私の分少なくなるのは嫌だし。多分普通に気付いてないだけなんだろうし。
こほん。
「サヤさんサヤさん。料理豪快に落としまくってます。それはもう、気持ちいいくらいに。」
「…ふぇ、あ、あぁぁー!!」
やはり気付いてない。恐るべき天然。私もうかうかしてられない。このままではキャラが被ってしまう。
「ど、どどど、どーしよどーしよ!?あ、あわわわ…。」
「サヤさんとりあえず落ち着いて。あんまり焦るとまた…」
口では止めつつも私はある種の期待をしていた。そして、私の期待通り、
「うーあぁぁぁぁ…。」
ぱりん。べしゃ。
「…………。」
ブラボー。見てて惚れ惚れします。さすがドジっ娘クイーン。
「……えっと、とりあえず起きたらどうです?」
「……うん。」
声を掛けるとサヤさんはゆっくり立ちあがった。
「とりあえずここは私が片付けときますんで、サヤさんはテーブルでも拭いてきて下さい。」
「…わかった。ユキちゃん、ごめんね?」
サヤさんが離れていき、残された私と散乱した料理。
……さっきの想像じゃないけど埋めて肥料にでもしよう。
とりあえずスコップを持ってきて穴を掘る。そして、その中に料理を埋めていく。
うん、我ながら完璧。後は…少なくなった料理の補充ですかね?
そんなこと思いながらも、私は作品の都合上仕方なく過去に思いを馳せるのでした、まる。
φ
「できれば、見逃してくれないかな?」
「お断りします。一応こっちも仕事なんで。」
シュウさんと最初に出会ったのは、施設からさほど離れていない廃ビルでした。
逃亡した能力者を見つけ出し、可能ならば捕獲せよ。殺してもかまわない、という
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