純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 14
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みだ。楽しみだなぁ」
わくわくする。こんな高揚感は久しぶりだ。
(全部、全部、オレがぶっ壊してやる)
見ていろ、石像女。
お前の世界など、所詮は脆く儚い幻想でしかないのだと。
このオレが今から立証してやろう。
崩れ去る世界を、その薄気味悪い微笑みのままで見届けるが良い。
(どうせ、お前にはそれしかできないんだ)
なにが創造と慈愛の女神だ、くそったれ。
偽称と傍観の罪。
お前を崇める脳無し共に、とくと思い知らせてやる。
その為には…………
夕陽がすっかり落ち込んだ、真っ黒な空の下。
聖職者の一団を乗せた全五台の馬車の列は、中央教会を出た後、お祭りの色に染まっている賑やかな街路を郊外へ向かって走り続け、民家も人通りも灯りも極端に少ない王都の一角で、おもむろに車輪を止めた。
最後尾の一つ手前の車体が、御者の合図を受けて内側から扉を開き、先に降りた男性に手を預けた高位聖職者の見目麗しい女性が、舗装されていない地面へと靴裏を降ろした、
その瞬間。
「ぷりしらさまあー!」
「ぷい……、ぷり、ちや! ぷり、ぷりっ」
「ぷーすけのぷーたろおーっ」
三人の子供が、扉を蹴破る勢いで孤児院から転がり出てきた。
「こんばんは、ミネット。今日も元気そうで安心したわ」
プリシラは、真っ先に飛びついてきた五歳前後の小柄な女の子を、右腕に座らせる形で抱え上げ
「こんばんは、キース。前よりちょっとだけ良くなってるけど、その発音で連呼はやめてね? 地味に嫌だわ」
続いて腰に抱き着いてきた、ミネットと同じ年頃の男の子の肩を、左手でぽんぽんと優しく叩き
「こんばんは、マイク。貴方には悪意しか感じないから、明日の貴方の分のデザートは全部、私が貰っちゃうわね」
悪戯っ気を隠すつもりもない顔で近寄ってきた七歳くらいの男の子には、意地悪な顔全開で応じる。
予想外な切り返しだったのか、マイクの動きがピタッと止まり、その場で地団駄を踏み始めた。
「お、おーぼーだぞ、おーぼーっ! おちゃめな子どものあいさつくらい、大人のよゆーでかるくながせよな! そーいうたいどを、みっともないっていうんだぜっ!」
「あらあ? 貴方は子供じゃなくて、一人前の立派な人間なのでしょう? 神父達に言ってるそうじゃない。オレは物知りなんだぜ、すごいんだぜ! お前らよりよっぽど頭が良い大人なんだぜ! って」
「うぐっ??」
「そんな、すっごぉーいマイクを認めたからこそ、大人社会の規範に則った適切な対応をしたのになあ〜。今のが、お茶目な子供の挨拶だったなんて、おっかしいなあ〜? 『大人なマイク』は嘘、だったのかなぁ〜あ?」
「ぐ、ぐぐ……っ」
自身の頬に左手
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