おまえがちょうどいい
Part.2
[1/8]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
時間を進めて1限目終了。気を付け礼の号令を委員長が終えると歴史の教師は教室を後にする。さて10分間の休憩時間だ。好きにロールプレイして構わないよ。頃合い見て時間進めるつもりだけど、やることなくなったら呼んでくれ。
「さっきの授業での文の身に何が起きたか聞きたいわ。くるっと回って文の方を見る」
「俺も聞きたい。席から立って話しかけよう。どうしたんだ文。尋常じゃない様子だったが、そんなに怖い夢を見たのか?」
「あやや……いやー、ははは。夢だったんですかねぇ。転寝してたんではっきりしないんですよ、と苦笑いしながら叩かれた肩を擦ります」
「ボケていたと言えばあの歴史の先生もそうよ。素で間違えていたみたいよ? あんたの名前」
「え? そうなんですか?」
「マジか。てっきりウケ狙いでわざと言い間違えたと思ったんだが……射命丸なんて名前のどこをどう間違えたんだ」
「しかもなんでしたっけ? よ……なんでしたっけ?」
予坂だよ。
「そうそう予坂なんて、それもまた珍しい苗字ですし……変なこともあるんですね」
「変なことと言ったら俺も昨日変な出来事があったんだ」
「お、なんですかなんですか。せっかくですし新聞のネタにしちゃいましょう。自分の実体験もありますし、結構リアルに書けそうです」
「昨日の放課後のことなんだがな、廊下で変な視線を感じたんだ。でも周りを見ても誰もいない。そしたらなんか、妙に甘い匂いがしたと思ったら後ろから聞こえたんだ。『おまえはダメだ』って男の声がな。それで振り返ったら誰もいないんだ。なんというか、気味が悪かったな」
「あ、それと似たようなことが今朝あったわ。登校中に体育館の方に全身真っ黒な変な人がいてね、話しかけて目が合ったと思ったらもういなくて。それで真横から、真横からよ? 男の人の声で『おまえもダメだ』って。何かを探していたみたいだったわ」
「え、ちょっと待ってください待ってくださいよ。なんですか今の話物凄い共通点多いじゃないですか。え、私『おまえがちょうどいい』って言われたんですけど!?」
あ、そうだ。今の話を聞いた射命丸は《聞き耳》で判定してくれ。
射命丸《聞き耳》53 → 29 成功
じゃあ射命丸は自分の掌から甘い匂いが漂ってくるのに気が付くよ。
「え!? くんくん、うわっ、何ですかこの甘い匂い!」
「ちょっと嗅がせて。すんすん……GM、この匂いは今朝私が嗅いだ匂いと同じ?」
同じ匂いだねい。何かの植物のような、甘い匂いだ。
「だが一体どこでそんな匂いが付いたんだ。授業中はないからこの休憩中ということだ。……そういえばさっき、肩を擦っていたな?」
「あ、そこかもしれないわね。私が嗅ぐわ。どう、
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ