おまえがちょうどいい
Part.2
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
に『おまえはダメだ』と言い、『おまえがちょうどいい』と射命丸に言った声と同一のものだ。
「ええ……ええっ!?」
「落ち着きなさい。誰もあんたのこととは言ってないわ」
「で、でも歴史の授業で先生が私のこと……」
「偶然よ、偶然」
じゃあ3分後、また校内放送が流れる。さらに2分経ったらまた、1分経ったらまた。更にまた。更に更にまた。ダメ押しするように、何回も何回も何回も流れる。
『予坂文、早く会いに行け』
『早く、早く行くんだ! 予坂文!』
『予坂文! おまえが、おまえがちょうどいいんだ! さっさと行けっ!』
最初こそ事務的な丁寧語を使った校内放送だったが徐々に大きく、荒く、切羽詰まったような、何かに取り憑かれてしまっているかのような、そして何かに言いつけるかのような、怒号のようなものへと変貌していった。
誰かもわからない得体のしれない男の声は学校全体に響き渡り、アナウンスの間隔が短くなるごとに自分たちのいる教室に向かって近づいてくるような、気が付いたときには目と鼻の先まで迫ってきているような、そんな恐怖を味わい背筋が凍る。
萩村と遊星は1/1D3、射命丸は1D3/1D6の《SAN》チェックだ。
射命丸《SAN》55 → 56 失敗
萩村 《SAN》49 → 87 失敗
遊星 《SAN》59 → 82 失敗
「(コロコロ)……あ、5です」
「(コロコロ)……最大値、3」
「(コロコロ)……俺は2だ」
5点以上減少した射命丸、《アイデア》で判定してくれ。
射命丸《アイデア》55 → 91 失敗
ちぇっ、一時的発狂は回避しやがった。
「だとしても5点の正気度喪失はデカいな」
「発狂しない正気度喪失ロールですか。やりにくいですね。とりあえず恐怖のあまり顔面蒼白にしつつ目尻に涙を滲ませて震えます」
「バンッと机を叩いて立ち上がるわ。気分は最悪、あんまりすぎる質の悪さに憤慨する。もうあったまきたわ! ちょっと放送室に行ってやめさせてくる!」
「俺は文を気遣いながら背中を擦ろう。大丈夫、大丈夫だ」
「うう、遊星さん……」
「遊星は文をお願い。私は放送室にカチコムから。生徒会役員としても友達としても看過できないわ。というわけでGM、私はダッシュで放送室に向かうわ。その前に、ここは何階?」
2階だな。
「放送室があるのは?」
3階だ。走れば2分もかからないで着く程度の距離だ。
「放送室に向かう手段は何通り?」
右奥の階段、左奥の階段、中央階段、非常階段の4通りだねい。今おまえさんたちのいる教室から見て一番近い階段は左奥の階段だけど、放送室は右奥にあるから階段的には右奥階段と非常階段が一
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ